Presentation Information
[T4-P-7]The seismic, volcanic, and geological summer school for kids in Yoshinogawa river (Miyoshi geopark project)
*Tadahiro SHIBATA1 (1. Agency for Cultural Affairs)
Keywords:
Inquiry-based Learning,Disaster prevention learning,geopark
1.はじめに
地震火山地質こどもサマースクール(以下、サマスク)は、日本地震学会、日本火山学会、日本地質学会が共同で支援して開催されている、地球科学や防災をテーマにした科学探究学習のプロジェクトである。サマスク開催地は、ジオパーク認定地域、ジオパークの準備地域、その後ジオパークとなった地域などが多く含まれている。またさらにサマスクのプログラムは、地球科学を分かりやすく伝えるという観点からジオパーク事業や専門員との関係性を有する。サマスクのプログラムは、当初から参加者が能動的に考えること、チームの中で学び合うこと、学んだことを自分たちの言葉や絵を使いプレゼンするまでを一連のプログラムとすることを重視しており、いわゆる探究学習の手法が用いられている。好奇心旺盛な子どもたちに安全な学習機会を提供する。2024年、第23回のサマスクの開催地は、日本ジオパークネットワークへの加盟申請を行なっている徳島県三好市及び東みよし町である。吉野川の形成をフイールドワークや時空間を短縮・単純化させたアナログ実験などを通じて学び、文化や暮らしの醸成、防災・減災についても考えることを目標とする。開催日は、8月6―7日であり、要旨投稿時点では開催前のため開催の経緯や概要等に基づいて記載する。
2.開催概要
主催は3学会(1.はじめに記載)と、三好ジオパーク構想推進協議会、徳島県子ども科学館からなる第23回地震火山地質こどもサマースクール吉野川実行委員会(実行委員長:香川大学の長谷川修一教授)である。講師は実行委員長と、西山賢一(徳島大学)、馬場俊孝(徳島大学)、山﨑新太郎(京都大学)、中尾賢一(徳島県立博物館)、道家涼介(弘前大学)、横山光(北翔大学)である。開催期間は2024年8月6―7日の2日間で、全国の小学校5年生〜高校3年生を対象として募集されている。 見学地(3.主な見学地)で観察をした後、実験(4.主な実験)や、吉野川での暮らしについて、これまで観測されている災害に加えて、2024年1月1日に発生した能登半島地震での調査成果も踏まえて講義が行われる。
3.主な見学地
①大歩危(大歩危峡まんなか周辺):河川沿いの岩石(三波川変成岩)や地形について観察
②川口(三好市山城町川口):川沿いの岩石、地滑り地形について観察
③池田湖(池田湖水際公園):河川沿いの岩石、地形の観察(吉野川が北から東に流れをかえる屈曲部)を観察
④箸蔵(箸蔵近隣公園):河川沿いの岩石(和泉層群のタービダイト)の観察
⑤池田体育館:地形(断層崖)の観察
⑥ウマバ(三好市池田町白地ウマバ):地滑り地形、地形上の暮らしの観察
4.主な実験
①断層上の地形変化実験:地下の大地のずれ(地震断層)が活動した時の地表面の地形変化を、スタイロフォームや砂を用いて再現
②地滑り実験:①で生じた地形に地震動などが加えて生じる地滑りを再現
③谷地形形成実験:河川の侵食によって生じる谷地形の形成を再現
5.期待される成果
上記の観察、実験、講義を踏まえて、子どもたちは、大地の成り立ちにかかるものと、暮らしや防災、ジオツーリズムに関わるもの3つの課題について検討し、プレゼン形式で発表を行う。その課題は①吉野川はどう流れてきた?大地はどうできた?②吉野川で人々はこれまでどう暮らしてきた?上流から下流まで川沿いの暮らしや災害について調べてみよう。③吉野川の百年先、千年先の未来を予想してみよう。私たちがここで楽しく暮らす方法を提案!吉野川の大地を思いっきり楽しむ3日間とは?である。 これらの学習を通して、子どもたちの地球科学やジオパークに対する関心・興味・理解を促進することが期待される。加えて副次的に、サマスクに地元のボランティアスタッフとして関わるジオパークガイド、理科や防災学習に関わる中学・高校教員、科学館職員へ、地球科学をベースとした探求学習のノウハウの提供が期待される。
地震火山地質こどもサマースクール(以下、サマスク)は、日本地震学会、日本火山学会、日本地質学会が共同で支援して開催されている、地球科学や防災をテーマにした科学探究学習のプロジェクトである。サマスク開催地は、ジオパーク認定地域、ジオパークの準備地域、その後ジオパークとなった地域などが多く含まれている。またさらにサマスクのプログラムは、地球科学を分かりやすく伝えるという観点からジオパーク事業や専門員との関係性を有する。サマスクのプログラムは、当初から参加者が能動的に考えること、チームの中で学び合うこと、学んだことを自分たちの言葉や絵を使いプレゼンするまでを一連のプログラムとすることを重視しており、いわゆる探究学習の手法が用いられている。好奇心旺盛な子どもたちに安全な学習機会を提供する。2024年、第23回のサマスクの開催地は、日本ジオパークネットワークへの加盟申請を行なっている徳島県三好市及び東みよし町である。吉野川の形成をフイールドワークや時空間を短縮・単純化させたアナログ実験などを通じて学び、文化や暮らしの醸成、防災・減災についても考えることを目標とする。開催日は、8月6―7日であり、要旨投稿時点では開催前のため開催の経緯や概要等に基づいて記載する。
2.開催概要
主催は3学会(1.はじめに記載)と、三好ジオパーク構想推進協議会、徳島県子ども科学館からなる第23回地震火山地質こどもサマースクール吉野川実行委員会(実行委員長:香川大学の長谷川修一教授)である。講師は実行委員長と、西山賢一(徳島大学)、馬場俊孝(徳島大学)、山﨑新太郎(京都大学)、中尾賢一(徳島県立博物館)、道家涼介(弘前大学)、横山光(北翔大学)である。開催期間は2024年8月6―7日の2日間で、全国の小学校5年生〜高校3年生を対象として募集されている。 見学地(3.主な見学地)で観察をした後、実験(4.主な実験)や、吉野川での暮らしについて、これまで観測されている災害に加えて、2024年1月1日に発生した能登半島地震での調査成果も踏まえて講義が行われる。
3.主な見学地
①大歩危(大歩危峡まんなか周辺):河川沿いの岩石(三波川変成岩)や地形について観察
②川口(三好市山城町川口):川沿いの岩石、地滑り地形について観察
③池田湖(池田湖水際公園):河川沿いの岩石、地形の観察(吉野川が北から東に流れをかえる屈曲部)を観察
④箸蔵(箸蔵近隣公園):河川沿いの岩石(和泉層群のタービダイト)の観察
⑤池田体育館:地形(断層崖)の観察
⑥ウマバ(三好市池田町白地ウマバ):地滑り地形、地形上の暮らしの観察
4.主な実験
①断層上の地形変化実験:地下の大地のずれ(地震断層)が活動した時の地表面の地形変化を、スタイロフォームや砂を用いて再現
②地滑り実験:①で生じた地形に地震動などが加えて生じる地滑りを再現
③谷地形形成実験:河川の侵食によって生じる谷地形の形成を再現
5.期待される成果
上記の観察、実験、講義を踏まえて、子どもたちは、大地の成り立ちにかかるものと、暮らしや防災、ジオツーリズムに関わるもの3つの課題について検討し、プレゼン形式で発表を行う。その課題は①吉野川はどう流れてきた?大地はどうできた?②吉野川で人々はこれまでどう暮らしてきた?上流から下流まで川沿いの暮らしや災害について調べてみよう。③吉野川の百年先、千年先の未来を予想してみよう。私たちがここで楽しく暮らす方法を提案!吉野川の大地を思いっきり楽しむ3日間とは?である。 これらの学習を通して、子どもたちの地球科学やジオパークに対する関心・興味・理解を促進することが期待される。加えて副次的に、サマスクに地元のボランティアスタッフとして関わるジオパークガイド、理科や防災学習に関わる中学・高校教員、科学館職員へ、地球科学をベースとした探求学習のノウハウの提供が期待される。
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