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[G-P-32]Planktonic foraminifera obtained from IODP Site C0024 penetrating the toe of the accretional prism of the Nankai Trough

*Hiroki HAYASHI1, Haruki GOTSUBO1, Atsushi MATSUOKA2 (1. Shimane University, 2. Niigata University)
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Keywords:

International Ocean Discovery Program,Nankai Trouph,Neogene,planktonic foraminifera,biostratigraphy

南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE)は南海トラフで繰り返し発生してきたプレート境界型巨大地震の発生予測に資するため,四国海盆から変形前線を経て前弧海盆に至る多数の地点で掘削調査を実施してきた.国際深海科学掘削計画(IODP)第358次航海はその最終回となる科学航海で,Site C0024はそのContingency Siteのひとつとして,変形前線に近い付加プリズム先端部(東経136度4分20秒 ,北緯33度2分00秒, 水深3850 m)で海底下深度621.5 mまで掘削された.付加プリズム先端部は第316次航海でもSite C0006やSite C0007で掘削されたが,Site C0024ではそれらでは回収されなかった音響層序ユニットを貫いており,先端部における分岐断層群の発達史の復元に資するものと考えられる.
 Site C0024のHole B, C, D, E, Gで採取されたコアのコアキャッチャー試料,全52試料を処理し,48試料から14属45種の浮遊性有孔虫化石が得られた.化石の保存は中程度~不良程度で,殻の着色,変形や破壊がしばしば認められた.特に,深度100~200 m前後の比較的浅部に,局所的に変形個体が集中する層準が認められた.変形個体にはGloboconella inflataなど現生種が参加しており,古い地層からの再堆積の可能性は低い.母岩にはしばしば剥離面や剪断帯が伴われ,また,船上におけるコア記載や検層で認められた断層の分布と対応していることから,この変形には断層運動に伴う局所的な応力が影響している可能性がある.得られた種は多い順にGlobigerinita glutinata, Globigerina bulloides, Globoconella spp., Neogloboquadrina incompta等であり,これら上位5種で産出全体の59.3%を占める.年代指標種として,Globigerinoides ruber pink form, Globorotalia truncatulinoides, Neogloboquadrina asanoiなどが産出した.Site C0006やSite C0007で見られた断層による層序の反復は,Site C0024では認められなかった.得られた群集により,岩相ユニットIは完新統,岩相ユニットIIは下部~上部更新統,岩相ユニット3・4は上部鮮新統~下部更新統と考えられる.

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