Presentation Information
[T9-P-3]Consideration of effectiveness and significance of geoscientific information in GEOPARK magazines
*Yukiko YAMASAKI1, Kana FURUSAWA1, Taihei HONDA1, Yui HASEGAWA1 (1. Specified Nonprofit Organization Japanese Geoparks Network office)
Keywords:
Geopark,Japanese Geoparks Network,GEOPARK magazine,geoscience
GEOPARK magazine は特定非営利活動法人日本ジオパークネットワーク(以下、JGN)が毎年発行する雑誌であり、2014年3月に創刊号を発行し、2025年3月にはVol.12を発行した。本雑誌はジオパーク関係者や地球科学の専門家だけではなく、ジオパークを楽しむ様々な人に情報を発信することに重点を置いており、JGN加盟地域の情報を食べる・遊ぶ・学ぶの切り口で紹介する。その中で地球科学的な情報は、知っていることでジオパークをより楽しむことができるような内容を意識し掲載している。
創刊号からVol.3までは、随所に地球科学的な内容が書かれているものの、大きな項目としての取り扱いはなかった。項目として取り上げられたのはVol.4からで、『もっと知りたいGEO』として掲載された。前半は『大地(ジオ)と動植物や生態系(エコ)、人(ひと)がおりなす世界。』としてジオパークが対象とする3つの要素(ジオ・エコ・ひと)やそれらのつながりについて解説しており、ジオパークに主眼をおいたものだった。後半は『ジオミニ辞典』として地球科学的な用語の解説をしている(JGN, 2017)。『もっと知りたいGEO』はVol.5でも継続し、『「活断層」は、大地が動く証?』としてプレート境界や活断層、地震などについて簡単な図を用いて解説しており、Vol.4に掲載したものよりも専門的な内容となっている。そして『ジオパークの活断層』として活断層を見ることができるジオパークを紹介した。また『ジオミニ辞典』では、Vol.5全体の中からいくつかの地球科学的な用語を選び短い説明を掲載した(JGN, 2018)。このように最初に地球科学的な事柄や現象について解説し、それらを見ることができるジオパークを紹介して、その後用語解説を掲載するという大まかな様式は、Vol.12まで変わっていない。これまで取り上げた地球科学的な事柄や現象は、活断層、付加体、土砂災害と水害でできた地形、火山噴火、化石、地熱、大陸の一部だった日本列島、地震による隆起で、それらが見られるジオパークとして延べ27地域掲載し、『ジオミニ事典』で取り上げた用語は延べ63だった(JGN, 2017;2018;2019;2020;2021;2022;2023;2024;2025)。地球科学的な事柄や現象は当時の時事的なものを反映することもあり、活断層では平成28年熊本地震(JGN, 2018)、土砂災害と水害でできた地形では平成30年7月豪雨(JGN, 2020)、地震による隆起では令和6年能登半島地震について(JGN, 2025)、それぞれ解説やジオパークの紹介で触れられている。
本雑誌は抽選で応募者にプレゼントが当たる企画があり、その応募時にアンケートを集めている。Vol.12は現在応募中であり、2025年6月末時点で131人の応募があった。アンケート回答をみると、26人(約19.8 %)が面白かった記事として地球科学的な内容を掲載したページを挙げていた。一方、Vol.11のアンケートでは回答者261人中27人(約10.3 %)、Vol.11のアンケートでは回答者227人中20人(約8.8 %)だった。Vol.12で地球科学的な内容掲載ページに興味を持った読者が多い要因の一つとして、前述の通り令和6年能登半島地震に関連付けていることが考えられる。本雑誌のように多くの人を広くターゲットとする雑誌において、専門的な内容の取扱いは難しく、簡易な説明でも興味を持たれず読んでもらえない可能性は否定できない。しかし、掲載するテーマや内容を工夫すれば、あまり興味を持っていなかった人に地球科学的な事柄や現象を知ってもらう貴重な機会になることが期待できる。本発表では、過去に掲載した地球科学的な内容についてまとめ、読者アンケートの結果を基に効果や意義について検討し、効果的なページにするにはどうすればよいか議論していきたい。
【引用文献】
JGN(2017)GEOPARK magazine Vol.4. 株式会社談, 68p.
JGN(2018)GEOPARK magazine Vol.5, 株式会社談, 64p.
JGN(2019)GEOPARK magazine Vol.6, 株式会社談, 64p.
JGN(2020)GEOPARK magazine Vol.7, 株式会社談, 64p.
JGN(2021)GEOPARK magazine Vol.8, 株式会社談, 64p.
JGN(2022)GEOPARK magazine Vol.9, 株式会社談, 64p.
JGN(2023)GEOPARK magazine Vol.10, 株式会社談, 64p.
JGN(2024)GEOPARK magazine Vol.11, 株式会社談, 64p.
JGN(2025)GEOPARK magazine Vol.12, 株式会社談, 64p.
創刊号からVol.3までは、随所に地球科学的な内容が書かれているものの、大きな項目としての取り扱いはなかった。項目として取り上げられたのはVol.4からで、『もっと知りたいGEO』として掲載された。前半は『大地(ジオ)と動植物や生態系(エコ)、人(ひと)がおりなす世界。』としてジオパークが対象とする3つの要素(ジオ・エコ・ひと)やそれらのつながりについて解説しており、ジオパークに主眼をおいたものだった。後半は『ジオミニ辞典』として地球科学的な用語の解説をしている(JGN, 2017)。『もっと知りたいGEO』はVol.5でも継続し、『「活断層」は、大地が動く証?』としてプレート境界や活断層、地震などについて簡単な図を用いて解説しており、Vol.4に掲載したものよりも専門的な内容となっている。そして『ジオパークの活断層』として活断層を見ることができるジオパークを紹介した。また『ジオミニ辞典』では、Vol.5全体の中からいくつかの地球科学的な用語を選び短い説明を掲載した(JGN, 2018)。このように最初に地球科学的な事柄や現象について解説し、それらを見ることができるジオパークを紹介して、その後用語解説を掲載するという大まかな様式は、Vol.12まで変わっていない。これまで取り上げた地球科学的な事柄や現象は、活断層、付加体、土砂災害と水害でできた地形、火山噴火、化石、地熱、大陸の一部だった日本列島、地震による隆起で、それらが見られるジオパークとして延べ27地域掲載し、『ジオミニ事典』で取り上げた用語は延べ63だった(JGN, 2017;2018;2019;2020;2021;2022;2023;2024;2025)。地球科学的な事柄や現象は当時の時事的なものを反映することもあり、活断層では平成28年熊本地震(JGN, 2018)、土砂災害と水害でできた地形では平成30年7月豪雨(JGN, 2020)、地震による隆起では令和6年能登半島地震について(JGN, 2025)、それぞれ解説やジオパークの紹介で触れられている。
本雑誌は抽選で応募者にプレゼントが当たる企画があり、その応募時にアンケートを集めている。Vol.12は現在応募中であり、2025年6月末時点で131人の応募があった。アンケート回答をみると、26人(約19.8 %)が面白かった記事として地球科学的な内容を掲載したページを挙げていた。一方、Vol.11のアンケートでは回答者261人中27人(約10.3 %)、Vol.11のアンケートでは回答者227人中20人(約8.8 %)だった。Vol.12で地球科学的な内容掲載ページに興味を持った読者が多い要因の一つとして、前述の通り令和6年能登半島地震に関連付けていることが考えられる。本雑誌のように多くの人を広くターゲットとする雑誌において、専門的な内容の取扱いは難しく、簡易な説明でも興味を持たれず読んでもらえない可能性は否定できない。しかし、掲載するテーマや内容を工夫すれば、あまり興味を持っていなかった人に地球科学的な事柄や現象を知ってもらう貴重な機会になることが期待できる。本発表では、過去に掲載した地球科学的な内容についてまとめ、読者アンケートの結果を基に効果や意義について検討し、効果的なページにするにはどうすればよいか議論していきたい。
【引用文献】
JGN(2017)GEOPARK magazine Vol.4. 株式会社談, 68p.
JGN(2018)GEOPARK magazine Vol.5, 株式会社談, 64p.
JGN(2019)GEOPARK magazine Vol.6, 株式会社談, 64p.
JGN(2020)GEOPARK magazine Vol.7, 株式会社談, 64p.
JGN(2021)GEOPARK magazine Vol.8, 株式会社談, 64p.
JGN(2022)GEOPARK magazine Vol.9, 株式会社談, 64p.
JGN(2023)GEOPARK magazine Vol.10, 株式会社談, 64p.
JGN(2024)GEOPARK magazine Vol.11, 株式会社談, 64p.
JGN(2025)GEOPARK magazine Vol.12, 株式会社談, 64p.
