Presentation Information
[C1-05]小地域ごとの賃料形成要因に対する評価の違いに着目した賃貸集合住宅市場の地理的分割分析
*Yoichiro Hemmi1, ryo inoue1 (1. Transportation and Geographic Information Science, Graduate School of Information Sciences, Tohoku University)
Keywords:
賃料形成要因,賃貸集合住宅市場,地理的市場分割,Tree-guided Group Lasso
不動産市場は，物件属性や地区特性など様々な要因で細分化されている．本研究は，その一つである地理的な位置に依る市場分割に注目し，小地域ごとの各賃料形成要因に対する評価の違いの把握を目指す．既往研究が用いる小地域のダミー変数に対する係数に加え，各説明変数の分析対象領域全体の平均的評価からの小地域ごとの乖離を表す係数を組み込んだ賃料モデルを設定した．このモデルの係数の数は膨大で，既往研究の正則化手法に基づくモデル推定は計算量の観点から実行が難しい．そこで，近隣の小地域を階層的に束ねた領域を設定し，上位階層の領域単位で正則化するTree-guided Group Lasso (TGL) の活用を前提に，2種類の正則化方法を提案する．東京都世田谷区の集合住宅賃料を，大字，丁目，街区の３階層の地域構造を設定して分析した．2種類の正則化方法の比較・検証と共に，街区単位の賃料形成要因に対する評価を表す推定値に基づき，地理的市場分割の実態を考察した．