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[C4-02]金沢近郊における地名の表出・染出現象の分析
*Yuto Ishida1, Wataru Nakanishi2 (1. University of Tsukuba, 2. Kanazawa University)
Keywords:
地名,建物名称,表出現象,染出現象,重回帰分析
人々の地名認識は、住所などに用いられる行政地名の範囲や形状とは必ずしも一致しない。蓄積された地名情報の活用に向けて、この曖昧な地名認識を把握する重要性が高まっている。しかし、建物や施設の名称に含まれる地名に関する既存の分析対象は大都市圏や自治体名に限られる。本研究の目的は、中規模都市である金沢近郊を対象とした、町字名の建物名称への表出・染出現象の分析である。まず、デジタル電話帳データから両現象を抽出・計上し、染出距離を算出した。また、現象把握のために表出率・染出率・染み出され率等の指標を提案した。加えて、それら指標を 町字の属性で重回帰し、両現象に影響を与える要因を探索した。その結果、行政地名と地名認識の差を具体的に示すとともに、生活に密着した住宅地のような町字の染み出され率が高く、著名な要素を有する町字の染出距離が長いなどといった、地域の特性に応じた地名認識の存在を示した。
