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[SY8-1]What we see when we look at outcomes of dental care as nutrition.

*Takeshi Kikutani1 (1. Tama Oral Rehabilitation Clinic , The Nippon Dental University)
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Keywords:

在宅歯科医療,栄養,要介護高齢者

歯科医療のフィールドを高齢者に、なかでも要介護高齢者としたときに、私たちは大きな壁を感じることになった。大学病院に来院する高齢外来患者を対象としたとき、適切な歯科医療の提供は、患者の主訴を解消し、QOLの改善につながった。一方で、対象が、要介護高齢者となったとき、結果を伴わないケースが続出した。患者から期待された歯科医療の結果は、『噛めるようになって食形態が改善する』ことであったが、多くのケースにおいて望む結果に導くことができなかった。要介護高齢者を対象とした場合、歯科医療は咀嚼機能を改善し、患者のQOLの向上に資するといったいわば勝利の方程式が成り立たなかったのである。その原因の一つには、患者の咀嚼障害の原因が咀嚼器官の運動障害であり、認知機能の低下であることであった。いわば運動障害性咀嚼障害を呈していたことになる。そこで、私たちは、噛めない人には、噛まなくても良い食事を提案し、しっかり食べることを目標にした歯科医療の展開を始めた。そこで見えてきた歯科医療のアウトカムは『栄養』であった。そこで、私たちは、栄養をアウトカムにした介入の方法を探ることになった。歯科医療のアウトカムを栄養としたときに、医療介護福祉領域との間に共通用語が生まれ、ともに目標を語れるようになった。