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[学校保健体育-B-05]幼児期における体力・運動能力の発達パターンの違いが非認知能力の形成に与える影響(発,測)3年間の縦断的検討
*Yusaku Ogura1, Kosho Kasuga2, Kenta Otsubo3 (1. Chubu Gakuin College, 2. Gifu University, 3. GifuKyoritsuUniversity)
本研究の目的は、年少時から年長時までの縦断的データを用い、体力・運動能力の発達パターンの違いが、非認知能力の形成にどのような影響を及ぼすかを検討することである。対象は、年少時および年長時に、7項目からなる幼児用体力テストおよび7要素・16設問からなる非認知スキル測定を実施した559名(男子279名、女子280名)であった。体力テストの結果から、主成分分析により第一主成分得点を算出し、性別および年齢別(0.5歳区分)でT-スコア化した体力総合得点を指標とした。非認知能力測定は担任保育者による5段階評価(平均的な幼児を3とする)を行い、各要素における設問の評価を平均値化し、各要素の非認知能力得点とした。その後、体力総合得点(T-スコア)に基づき、年少時に50未満→年長時に55以上となった「相対的向上群(17名)」と、年少時に55以上→年長時に50未満となった「相対的低下群(24名)」に分類し、各要素の非認知能力得点の経年変化について検討した。分析には、一要因(学年)のみ対応のある二要因(学年×群)の分散分析を用いた。分析の結果、学年間に主効果が認められたのは、意欲得点、自制心得点、および回復力&対処能力得点であり、いずれも年少時より年長時の得点が高かった。群間に主効果が認められたのは、忍耐力得点と創造性得点であり、いずれも相対的向上群の得点が相対的低下群より低かった。また交互作用はどの項目においても認められなかったが、相対的向上群は相対的低下群よりも、年少時から年長時にかけて非認知能力が発達している傾向がみられる項目もあった。以上の結果より、年齢の上昇に伴って非認知能力が向上する傾向が見られる一方で、体力・運動能力の発達パターンによっては大きな違いは見られないことが示唆された。
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