Presentation Information
[本部企画-S1-1]Expanding Embodied Culture via Digital Twins and Data Integration
*Akihiko Murai1 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
<演者略歴>
東京大学卒業、同大学院条理工学系研究科修了、博士(情報理工学)、三菱重工業株式会社、Disney Research, Pittsburgh、Carnegie Mellon University等を経て、2015年より産業施術総合研究所、2025年より身体情報力学研究グループ グループ長。JST さきがけやムーンショット目標3等を遂行。
東京大学卒業、同大学院条理工学系研究科修了、博士(情報理工学)、三菱重工業株式会社、Disney Research, Pittsburgh、Carnegie Mellon University等を経て、2015年より産業施術総合研究所、2025年より身体情報力学研究グループ グループ長。JST さきがけやムーンショット目標3等を遂行。
筋骨格モデリング等を中心とするデジタルツインテクノロジーは、ヒトの身体の運動力学的、生理学的計測や解析により、物理的側面の計測と理解を実現してきた。光学式モーションキャプチャによりヒトの運動を高精細に計測し、また同時にフォースプレートや筋電計を用いることで、床反力等の接触力や筋活動情報を計測する。そして、ヒトの幾何学的、慣性的、解剖学的特徴をモデリングした筋骨格モデルを適用し、ロボティクスにおける運動力学的解析や数学的最適化により、筋張力等のヒトの体性感覚情報を推定する。これにより、ヒトの身体の使い方の可視化や理解が可能となっている。
近年、このデジタルツインの発展により、物理的側面のみでなく、さらに生理学的、認知的側面を計測、理解しようとする試みがなされている。筋活動情報は力み等に繋がる緊張や疾患情報を表し、また心電情報や皮膚電気情報はあがりなどヒトの心理的状態を表す。このような情報を解析、可視化することで、生理学的、認知的、心理的の相互理解やコミュニケーションの円滑化、ひいては人を含めた社会の拡張につながることが期待される。例えば我々は、脳卒中後の運動障害患者を対象に、麻痺肢の使用減少に関与する主観的要因として運動主体感と不快感に着目し、それらを分離評価する質問紙を開発した。その結果、運動主体感の低下が麻痺肢の使用減少と有意に関連し、主体感の改善が使用の促進につながる可能性を示した。
この流れは今後の研究において、運動主体感のような主体的身體感覚をデジタルツインに統合することにより、単なる物理的なモデルを超え、ヒトの意思や文化的背景までも反映する「身體文化的デジタルツイン」の構築を示唆している。本シンポジウムでは、従来の物理的なデジタルツイン、そして意思や文化的背景までも反映するデジタルツインがどのように身體文化の創成に貢献するのか、そして身體文化がどのように今後のデジタルツインテクノロジーに影響するのかを議論したい。
近年、このデジタルツインの発展により、物理的側面のみでなく、さらに生理学的、認知的側面を計測、理解しようとする試みがなされている。筋活動情報は力み等に繋がる緊張や疾患情報を表し、また心電情報や皮膚電気情報はあがりなどヒトの心理的状態を表す。このような情報を解析、可視化することで、生理学的、認知的、心理的の相互理解やコミュニケーションの円滑化、ひいては人を含めた社会の拡張につながることが期待される。例えば我々は、脳卒中後の運動障害患者を対象に、麻痺肢の使用減少に関与する主観的要因として運動主体感と不快感に着目し、それらを分離評価する質問紙を開発した。その結果、運動主体感の低下が麻痺肢の使用減少と有意に関連し、主体感の改善が使用の促進につながる可能性を示した。
この流れは今後の研究において、運動主体感のような主体的身體感覚をデジタルツインに統合することにより、単なる物理的なモデルを超え、ヒトの意思や文化的背景までも反映する「身體文化的デジタルツイン」の構築を示唆している。本シンポジウムでは、従来の物理的なデジタルツイン、そして意思や文化的背景までも反映するデジタルツインがどのように身體文化の創成に貢献するのか、そして身體文化がどのように今後のデジタルツインテクノロジーに影響するのかを議論したい。
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