Presentation Information
[本部企画-S1-2]Scientific Exploration of Extreme Physical SkillsChallenges in Articulating and Generalizing Embodied Knowledge
*Takashi Okada1 (1. Nippon Sport Science University)
<演者略歴>
日本体育大学卒業、同大学院体育科学研究科修了、東京大学大学院総合文化研究科単位取得退学。博士、理学療法士、2023年WNBFプロボディビル世界選手権マスターズ優勝、元柔道全日本男子チーム体力強化部門長(2016年リオ、2021年東京五輪)。文部科学省スポーツ功労者顕彰、JOC奨励賞、讀賣新聞社日本スポーツ賞など受賞。
日本体育大学卒業、同大学院体育科学研究科修了、東京大学大学院総合文化研究科単位取得退学。博士、理学療法士、2023年WNBFプロボディビル世界選手権マスターズ優勝、元柔道全日本男子チーム体力強化部門長(2016年リオ、2021年東京五輪)。文部科学省スポーツ功労者顕彰、JOC奨励賞、讀賣新聞社日本スポーツ賞など受賞。
人間の身体技能はいかなる極限に到達し得るのか。本問いは、古代・近代オリンピックの存在に象徴されるように、人類にとって普遍的な関心事である。本発表では、テクノロジーの進展が身体技能に与える影響を踏まえ、体育・スポーツ科学が今後創出すべき新たな価値について考察する。
極限的身体技能の獲得に関して、実践で得られる身体知は未だ数値化・言語化されていない要素を内包しており、実践知と科学的検証の往還による体系化と一般化が求められる。特に筋力トレーニング領域では、主観的感覚と数量的データの相互運用が高度技能獲得に資すると推察される事を、極めて高度な競技者を対象とした研究を題材に提示する。
また、AIに代表される近年のICTテクノロジーの発展は、人間の身体技能に新たな地平をもたらす可能性を孕んでいる一方で、生物学的進化とは異なる速度と様態で脳機能を補助・拡張するため、身体機能の変容には長期的視点からの慎重な観察が求められる。機能の向上のみならず、退行や喪失にも留意する必要がある。
産業革命以降、機械技術によって筋活動を代替した人類は、健康維持のために自発的な運動を必要とする社会を形成した。現代において、体育・スポーツの価値はヘルスケア領域へと拡張され、加えて社会変容への適応能力、すなわち心的レジリエンスの涵養が重要な課題となっている。筋力トレーニングは現代人における基盤的な健康行動となり、その実践が心的レジリエンスに及ぼす効果についても検討する必要がある。
これらの論点を鑑み、体育・スポーツ科学には、身体技能向上や健康支援にとどまらず、心身を一体的に捉える包括的な視座が求められる。本発表では、極限的身体技能に内在する身体知の科学的解明と、その言語化・一般化に向けた挑戦の意義を検討するとともに、「身体教養」の概念を一つの方向性に据え、今後の価値創出に資する可能性を探る。
極限的身体技能の獲得に関して、実践で得られる身体知は未だ数値化・言語化されていない要素を内包しており、実践知と科学的検証の往還による体系化と一般化が求められる。特に筋力トレーニング領域では、主観的感覚と数量的データの相互運用が高度技能獲得に資すると推察される事を、極めて高度な競技者を対象とした研究を題材に提示する。
また、AIに代表される近年のICTテクノロジーの発展は、人間の身体技能に新たな地平をもたらす可能性を孕んでいる一方で、生物学的進化とは異なる速度と様態で脳機能を補助・拡張するため、身体機能の変容には長期的視点からの慎重な観察が求められる。機能の向上のみならず、退行や喪失にも留意する必要がある。
産業革命以降、機械技術によって筋活動を代替した人類は、健康維持のために自発的な運動を必要とする社会を形成した。現代において、体育・スポーツの価値はヘルスケア領域へと拡張され、加えて社会変容への適応能力、すなわち心的レジリエンスの涵養が重要な課題となっている。筋力トレーニングは現代人における基盤的な健康行動となり、その実践が心的レジリエンスに及ぼす効果についても検討する必要がある。
これらの論点を鑑み、体育・スポーツ科学には、身体技能向上や健康支援にとどまらず、心身を一体的に捉える包括的な視座が求められる。本発表では、極限的身体技能に内在する身体知の科学的解明と、その言語化・一般化に向けた挑戦の意義を検討するとともに、「身体教養」の概念を一つの方向性に据え、今後の価値創出に資する可能性を探る。
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