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[スポーツ文化-B-05]参加者が楽しいと感じるゆるスポーツの競技特性(リハビリテーション科学)インクルーシブスポーツの設計を目指して

*Atsushi Shinonaga1,2, Koji Ono1,2,3, Shogo Sawamura1,2,4, Shingo Taki1,2,3, Ryo Tanaka1,2,3, Kohei Kogiso1,5, Kiriko Sakata1,2, Tatsuya Deguchi1,2,3, Machiko Ooike1 (1. Research Center for Diversity and Inclusion, Institute for Diversity&Inclusion, Hiroshima University, 2. Graduate School of Humanities and Social Sciences, Hiroshima University, 3. Institute of Sport, Hiroshima University, 4. Department of Rehabilitation, Heisei College of Health Sciences, 5. Faculty of Human-Environment Studies, Kyushu University)
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【はじめに】
運動能力や年齢、障がいの有無を問わず、多様な人が楽しめる“包摂的なスポーツ”を実現するには、楽しさや参加のしやすさを支える競技の特性を明らかにすることが重要である。こうした中、ユニークなルールや遊び心を取り入れた「ゆるスポーツ」は、誰もが参加しやすい競技として注目されている。しかし、その楽しさや参加のしやすさを生む競技特性については、十分に分析されていない。本研究は、ゆるスポーツを対象に、参加者が「楽しい」と感じる競技特性を明らかにし、インクルーシブなスポーツ設計に資する知見を得ることを目的とする。

【方法】
演者らが2024年12月に企画したゆるスポーツ体験会に参加し、アンケートの全項目に回答した24名を対象とした(午前10名、午後14名)。参加者には8種目(午前4種目、午後4種目)の競技を体験していただき、その後に「最も楽しかった」競技とその理由の回答を求めた。分析にあたっては生成AI(OpenAI-o3, OpenAI社)を用いて競技の特性をコード化し、午前と午後で「最も楽しかった」の回答頻度が多かった競技に共通する特性を探索した。

【結果】
「最も楽しかった」の回答頻度が多かった競技に共通する特性として、「チームワーク・協力」「戦略性・思考要素」「インクルーシブ性」「ユニークなルールによる意外性」の4点が抽出された。

【考察】
本調査で抽出された4つの特性は、運動能力や立場を問わず、誰もが主体的に参加し活躍を実感できる環境を生み出す鍵であると考えられる。一方で、限界点として①自由記述が簡潔で解釈に幅がある、②生成AIによる分析のため再現性に課題がある、③体験した競技がゆるスポーツ全体の一部であることが挙げられる。

【倫理的配慮】
本研究は広島大学大学院人間社会科学研究科倫理審査委員会の承認を得て実施した(HR-LPES-002326)。

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