Presentation Information
[スポーツ文化-B-06]スポーツに対する肯定的評価に関連する要因の探索(生涯スポーツ)ゆるスポーツ参加者の語りからの抽出
*Koji Ono1,2,4, Atsushi Shinonaga1,2, Shogo Sawamura1,2,3, Shingo Taki1,2,4, Ryo Tanaka1,2,4, Kohei Kogiso1,5, Kiriko Sakata1,2, Tatsuya Deguchi1,2,4, Machiko Ooike1 (1. Research Center for Diversity and Inclusion, Institute for Diversity&Inclusion, Hiroshima University, 2. Graduate School of Humanities and Social Sciences, Hiroshima University, 3. Department of Rehabilitation, Heisei College of Health Sciences, 4. Institute of Sport, Hiroshima University, 5. Faculty of Human-Environment Studies, Kyushu University)
【はじめに】
多様性を包摂するスポーツ、すなわち、だれでも参加できるインクルーシブなスポーツを展開するためには、参加者がスポーツを肯定的に評価する要因を明らかにすることが重要である。本研究では、だれもが楽しめる新スポーツと謳う「ゆるスポーツ」の体験談を手がかりに、スポーツに対する肯定的な評価に関わる要因を探索的に抽出することを目的とした。
【方法】
本研究では、健常成人8名を対象にスポーツの楽しさを主題に半構造化面接を実施し、その逐語録を質的に分析した。生成AI(OpenAI-o3、OpenAI社)を用いて逐語録から意味単位を抽出し、コード化した。その後、研究者が文脈に照らしてコード名の適切さを確認し、必要に応じて修正を加えた。さらに、再び生成AIを用いて8名分のコード名を統合した上で、その背後にある要因を探索した。
【結果】
分析の結果、「身体・認知の同時負荷による没入」、「成功体験を通じた自己効力感の生起」、「多様性を尊重した協働」、「好奇心をくすぐる仕組み」、「安全性の知覚」、「公平性を意識した設計」の6つの要因が抽出された。
【考察】
本研究では、従来示されてきた自己効力感や他者との協働に加え、身体運動と認知課題を同時に課すことで生じる没入が新たな要因となる可能性を示した。先行研究をふまえて、同時負荷による没入が劣等感や他者評価の不安を遮断し、技能差のある参加者間にも協働的な役割を促した結果、肯定的評価が形成された可能性がある。一方、本研究は生成AIを用いた分析であり、サンプルサイズも限られるため、再現性には課題が残る。今後はスポーツにおける包摂性の概念を定義し、本研究で抽出された要因の検証やスポーツの包摂性を測定する尺度開発へと発展させる必要がある。
【倫理的配慮】
本研究は広島大学大学院人間社会科学研究科倫理審査委員会の承認を得た後に実施した(HR-LPES-002326)。
多様性を包摂するスポーツ、すなわち、だれでも参加できるインクルーシブなスポーツを展開するためには、参加者がスポーツを肯定的に評価する要因を明らかにすることが重要である。本研究では、だれもが楽しめる新スポーツと謳う「ゆるスポーツ」の体験談を手がかりに、スポーツに対する肯定的な評価に関わる要因を探索的に抽出することを目的とした。
【方法】
本研究では、健常成人8名を対象にスポーツの楽しさを主題に半構造化面接を実施し、その逐語録を質的に分析した。生成AI(OpenAI-o3、OpenAI社)を用いて逐語録から意味単位を抽出し、コード化した。その後、研究者が文脈に照らしてコード名の適切さを確認し、必要に応じて修正を加えた。さらに、再び生成AIを用いて8名分のコード名を統合した上で、その背後にある要因を探索した。
【結果】
分析の結果、「身体・認知の同時負荷による没入」、「成功体験を通じた自己効力感の生起」、「多様性を尊重した協働」、「好奇心をくすぐる仕組み」、「安全性の知覚」、「公平性を意識した設計」の6つの要因が抽出された。
【考察】
本研究では、従来示されてきた自己効力感や他者との協働に加え、身体運動と認知課題を同時に課すことで生じる没入が新たな要因となる可能性を示した。先行研究をふまえて、同時負荷による没入が劣等感や他者評価の不安を遮断し、技能差のある参加者間にも協働的な役割を促した結果、肯定的評価が形成された可能性がある。一方、本研究は生成AIを用いた分析であり、サンプルサイズも限られるため、再現性には課題が残る。今後はスポーツにおける包摂性の概念を定義し、本研究で抽出された要因の検証やスポーツの包摂性を測定する尺度開発へと発展させる必要がある。
【倫理的配慮】
本研究は広島大学大学院人間社会科学研究科倫理審査委員会の承認を得た後に実施した(HR-LPES-002326)。
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