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[生涯スポーツ-A-04]親のフィジカルリテラシー4領域とスポーツ同一化が子どもの運動・スポーツ環境に与える影響への一考察(発,コ)神奈川県タレント育成能力開発プログラムに参加している子を持つ保護者を事例として
*Motohiko Kimura1, Katsuji Aizawa1, Akiko Misu1, Kenta Toyama2, Keita Nishigaki3, Sohsuke Takatani4, Kaori Yamaguchi5 (1. Senshu University, 2. Juntendo University , 3. Tokai University, 4. Takushoku University, 5. University of Tsukuba)
【背景】近年,スポーツ活動の促進要因の1つとして「フィジカルリテラシー」が国内外で注目されている.我が国においては,第3期スポーツ基本計画の施策目標にフィジカルリテラシーが盛り込まれた.保護者のフィジカルリテラシーに着目した検討では,子どもの運動・スポーツ環境との関連性が示されている.さらに,自分の子どもと保護者自身とを重ね合わせる「スポーツ同一化」も子どものスポーツ活動に影響を与えると考えられている.そこで本研究では,スポーツに取り組む子どもを持つ保護者のフィジカルリテラシーとスポーツ同一化に着目し,子どものスポーツ活動における保護者の役割について明らかにすることを目的とした.【方法】対象者は神奈川県タレント育成能力開発プログラムに参加している子を持つ保護者とした.調査項目は日本スポーツ協会が開発した身体,心理,社会,認知的の4領域に分類された「フィジカルリテラシー尺度」と,「スポーツ同一化尺度」(井梅ほか, 2017)を採用した.【結果および考察】「スポーツの自信の有無」からみたフィジカルリテラシーの比較では,身体的領域のみ得意群が有意に高かった.スポーツ同一化の比較では得意群が有意に高かった.「スポーツの嗜好性」からみたフィジカルリテラシーの比較では,4領域において好意群が有意に高かった.「子どもとのスポーツの会話頻度」からみた比較では,4領域すべてに有意な差は認められなかった.スポーツ同一化の比較では,よく話す群が有意に高かった.フィジカルリテラシーの4領域とスポーツ同一化との因子間では,社会的領域および認知的領域とスポーツ同一化は有意な負の相関関係を認めた.これらの結果から,保護者のフィジカルリテラシーはスポーツに対する自信や嗜好性と関連していた.保護者のフィジカルリテラシーおよびスポーツ同一化は子どものスポーツ環境に影響する要因の一つとなる可能性が示された.
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