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[競技スポーツ-A-03]上肢挙上位からの肩関節屈曲・伸展動作における体幹筋群への意識づけと姿勢安定性の関連について(コ)量的及び質的観点からの検討

*Kanta Endo1, Sayumi Iwamoto2, Munenori Murata2, Genki Futatsubashi2 (1. Toyo University Graduate School of Health and Sports Science, 2. Toyo University)
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【背景】多くのスポーツ動作において、体幹筋群の随意的収縮が姿勢安定に寄与していること報告されている。しかし、実際の指導現場では動作中の体幹筋群に対する意識づけ指導の難しさも垣間見られ、指導に対する受け手側の理解がどのように姿勢安定化に結び付いているかは不明な点も多い。そこで、本研究では肩関節屈曲・伸展動作時における体幹筋群への意識づけと動作姿勢保持との関連性を量的並びに質的観点より明らかにすることを目的とした。【方法】対象はトレーニング歴2年未満の健常男性8名とした。膝立位で上肢挙上位から肩関節屈曲90°までのチューブ抵抗下の肩関節伸展・屈曲運動(反復10回)を、体幹筋群への意識づけ有無による2条件下で実施させた。体幹筋群として内腹斜筋、外腹斜筋・脊柱起立筋から表面筋電図を記録し、動作時の筋活動量を最大随意収縮(MVC)で除し、標準化した。併せて、デジタルカメラで体幹に貼付したマーカーを撮影し、Frame-DIASを用いて矢状面上の体幹傾斜角、骨盤傾斜角、胸椎角、腰椎角の平均角度と総角変位を算出した。2条件下における各指標の変化及び関連性を量的に評価するとともに、2条件下での被験者の内省を聴取した。【結果】内腹斜筋の筋活動量は意識づけ条件により有意に増加した(p<0.001)。各角度平均には条件間で有意差は認められなかった。一方で、意識づけ条件では内腹斜筋の筋活動量と体幹傾斜角の総角変位に有意な相関が認められた(r =0.57、p=0.003)。さらに、ネガティブな内省を持った被験者では、意識づけ条件においても内腹斜筋の筋活動量が低く、総角変位も大きい傾向にあった。【結論】姿勢安定化を目指した体幹筋群への意識づけ指導において、動作変化等の量的な変容のみに着目するのではなく、受け手側の内省も踏まえた意識づけにより、動作中の効果的な姿勢安定化につながる可能性が示唆された。

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