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[競技スポーツ-A-06]日常での草履サンダル着用が少年野球選手に与える影響(測,コ)
*Kazuyoshi Miyaguchi1, Satoko Unemoto2, Yusuke Sakaguchi3, Kenji Kawabata3, Takayoshi Miyaguchi4 (1. ISHIKAWA PREFECTURAL UNIVERSITY, 2. KANAZAWA INSTITUTE OF TECHNOLOGY, 3. HOKURIKU UNIVERSITY, 4. KANAZAWA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL)
近年、子どもたちの足部機能や姿勢保持機能の低下が、運動能力やスポーツパフォーマンスに影響を及ぼしていることが指摘されている。特に成長期にある少年野球選手においては、足部の機能的発達が全身の運動連鎖やケガの予防に密接に関わっており、適切な足部機能の育成の重要性が報告されている。こうした背景のもと、伝統的な履物である草履サンダル(以下、草履)が注目を集めている。草履は足指を積極的に使う構造を持ち、足底筋群や足趾の巧緻性を自然に鍛える効果があるとされ、日常的な着用により、足部の筋活動やバランス能力が向上する可能性が示唆されている。少年野球は下肢を中心とした全身運動を伴う競技であり、投球・打撃・走塁といった基本動作は、安定した足部支持と敏捷性を基盤としている。そのため、足部機能の向上が競技能力に好影響を与える可能性がある。そこで本研究では、少年野球選手を対象に、日常生活における草履着用が足部機能および運動能力に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象は、少年野球2チームに所属する小学4~6年生の男女児童36名であった。測定項目として、10mダッシュ、立ち幅跳び、投球速度、バットスイング速度、足圧分布、および足趾把持力を測定した。足趾把持力(特に右足趾)と、バットスイング速度(r=0.65)、投球速度(r=0.60)、立ち幅跳び(r=0.48)の間に中程度の相関が認められた。草履導入から半年後に再測定を行った結果、足圧分布に有意な前方変移(踵荷重から前足荷重への移行)が認められた。また、足趾把持力、立ち幅跳び、投球速度、バットスイング速度に有意な向上が認められた。一方、10mダッシュにおいては有意な差は認められなかった。日常生活に導入するだけの簡便なコンディショニングではあるが、競技力の向上および将来的な障害予防への貢献が期待される。
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