Presentation Information
[01史-KL-1]Colonized Bodies and TrainingInsights from Healthy Korea
*Chaisung Lim1 (1. Rikkyo University)
<演者略歴>
1969年ソウル市生まれ/東京大学大学院経済学研究科修了(経済学博士)/ソウル大学校を経て現職/著書『飲食朝鮮――帝国の中の「食」経済史』(2019年、名古屋大学出版会)、『鉄道員と身体――帝国の労働衛生』(2019年、京都大学学術出版会)『健康朝鮮――植民地のなかの感染症・衛生・身体 』(2024年、名古屋大学出版会)等
1969年ソウル市生まれ/東京大学大学院経済学研究科修了(経済学博士)/ソウル大学校を経て現職/著書『飲食朝鮮――帝国の中の「食」経済史』(2019年、名古屋大学出版会)、『鉄道員と身体――帝国の労働衛生』(2019年、京都大学学術出版会)『健康朝鮮――植民地のなかの感染症・衛生・身体 』(2024年、名古屋大学出版会)等
本報告の課題は「健児」・「健民」・「健兵」といった複眼的視点から植民地朝鮮における健康な身体作りを検討し、そこで見られる植民地性と近代性を論じることである。平時より植民地政府は健康な身体作りに関心を寄せ、急性感染症の発生を契機として衛生警察・衛生組合などを通じて個々人に対する身体的管理を追求した。学校では学生を対象として「保健及体位向上」を図ろうとする学校衛生が実行されるとともに、学校体育は身体活動の運動化を超えて、身体活動のスポーツ化が重視されることとなった。その一方で、工場・事業場では労働者を対象とする労働衛生はもとより、各種スポーツ活動を通じて働く身体の健康状態が重視されており、社会的にも生活環境改善だけでなく、ラヂオ体操などによる社会一般の健康増進も政策当局の主導下で進められた。とりわけ、人的不足が著しくなる戦時期になると兵隊としての動員を含めてこの目標は切実なものになっていた。そこで、健康な身体作りが全面的課題として浮上し、「健児」・「健民」・「健兵」が目指されたが、それには民族別格差を伴いながら、植民地住民に対する帝国側からの同化・統合が強調されたのである。
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