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[学校保健体育-A-03]文化的・言語的に多様な児童生徒を含む体育授業におけるCulturally Responsive Teachingに関するシステマティック・レビュー(教)
*Takafumi Tomura1 (1. Fukuyama University)
近年、教育現場では文化的・言語的に多様な児童生徒(CLD児童生徒)が増加し、教員には多様性に応じた包括的な指導力が求められている。なかでも体育は、スポーツ経験や健康観、服装、身体接触、コミュニケーションなど、学習者の文化的背景と深く関わる教科であり、文化的・言語的配慮が欠けると、学習における安全性や倫理性が損なわれるおそれがある。こうした課題に対応するうえで、CLD児童生徒の文化的背景を尊重し、それを学習内容や指導に反映させるCulturally Responsive Teaching(CRT)の実践が国際的に注目されている。今後、日本でもCLD児童生徒の増加が見込まれる中、CRTの専門性を備えた教員の育成は喫緊の課題である。国際的には体育におけるCRT研究が進展する一方、日本ではまだ端緒についた段階にある。そこで本研究では、体育におけるCLD児童生徒への指導に関する教員の経験や認識に着目した国際的研究を対象にシステマティック・レビューを行い、以下のリサーチクエッションに対する洞察を得ることを目的とした。①CLD児童生徒に対する体育指導において教員が経験する課題とは何か、②その課題に対応するために教員に求められるCRTの知識とスキルとは何か、③それらを教員が獲得するためにどのような教師教育が求められるか。文献はScopus、ERIC、EBSCO、ProQuestを用いて検索し、引用文献の追跡も行った。203件から重複を除いた155件をスクリーニングし、最終的に15件を分析対象とした。本研究は、体育におけるCRTの国際的知見を整理し、日本の多文化共生に資する示唆を提供する。
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