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[学校保健体育-B-21]「教育の目的」に則した大学体育授業の学修成果指標の作成(心)大規模私立大学を事例とした検討

*Junichi Nishida1 (1. KINDAI Univ.)
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教養体育科目での運動・スポーツ実践より、様々な学修成果の修得の可能性が示されてきた。大半の学生にとって正課体育授業の受講は最後の機会のため、教養体育授業を一層充実・発展させる意義は極めて大きい。さて、私立大学における教育の鍵は 「教育の目的」と考えられる。大学設立の目的や理念を考慮し,建学の精神に則した体育授業が行われ,それに相応しい学修成果が得られれば、体育科目の評価を高められる可能性がある。以上より、本研究では事例的に大規模私立大学における体育授業の学修成果をアセスメントする心理指標を作成し、他指標との関連を検討し特徴を解明することを目的とした。対象者はK大学の教養体育科目を履修した学生であった。調査内容は基本的属性、学修成果の自由記述、「初年次体育授業の主観的恩恵評価尺度(PBS-FYPE:西田他,2016)」、「学校への適応感尺度(大久保,2005)」等であった。調査は令和5年度に対面またはWebにより実施し、適切な回答が得られた1,295名および282名を解析対象とした。まず、自由記述に対してテキスト解析を行い、教育の目的に見合った体育授業での行動や思考等の概念を抽出した。続いて,抽出した概念を基として作成した学修成果に関する項目について探索的因子分析を行った。結果、「教育の目的」に則した3因子(「運動技能のアドバイスと発揮」、「ポジティブ感情の伝達とエール」、「運動の課題解決のための自己開示と傾聴」:各3項目)にて構成される「生涯スポーツLTR尺度(KU-PALTR)」が作成され、尺度の信頼性が確認された。また、運動部所属有無や実施種目の技能レベルによりKU-PALTR因子得点に差異があること、「運動スキル」、「協同プレー」との関連および「居心地の良さの感覚」、「自尊感情」への影響があること等が示唆された。本アセスメント指標の意義や今後の活用等について議論を行う。

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