Presentation Information
[学校保健体育-B-22]体育実技授業がもたらす大学生活への適応と学びの実感(教)社会情動的スキルの特徴に着目して
*Hideyuki Namba1, Akari Kamimura2, Takaaki Komiyama1, Hideki Shimamoto1, Satoshi Shimegi1 (1. The University of Osaka, 2. Wayo women’s University)
【背景】心身の健康に関わる行動資質(非認知能力)の醸成が期待されている。体育実技授業が非認知能力に包含される社会情動的スキルや学習への適応感に与える影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象者は必修体育の受講生239名(女性98名、男性140名)であった。調査期間は2024年後期のPre(2~3回目)、Post(14~15回目)とし、調査は、社会情動的スキルに関する内容(誠実性、グリット、SOC)、学習に関する内容(学校適応感、体育の主観的恩恵、「授業を通じて得られたこと」の自由記述)で構成した。SPSSを用いて各調査について対応のあるt検定により前後比較を行い、クラスター分析を行い各クラスター×前後比較について二要因分散分析を行った。KHCoder を用いて形態素解析を行い同時に出現する語の組合せによる共起ネットワークを作成した。
【結果】前後比較の結果、社会情動的スキルに有意な変化は見られず、学校適応感と主観的恩恵のみ有意な変化(p<0.01)があった。社会情動的スキルの得点によるクラスター分析から、平均的な「標準群」(n=177)、グリットに優れた「優群」(n=25)、大学生活に慣れて欲しい「期待群」(n=37)の3群が抽出された。すべての群で学校適応感と主観的恩恵が有意に向上し(p<0.01)、交互作用は確認されなかった。Pre時の学校適応感は優群、標準群、期待群の順に高く(p<0.01)、主観的恩恵は優群が標準群および期待群よりも高かった(p<0.01)。自由記述では、チームワーク、協力、楽しさといった語が多く抽出された。
【結論】半期の大学体育授業は社会情動的スキルに有意な変化を与えなかったが、初期の社会情動的スキル特性に関係なく、学校適応感と主観的恩恵に有意な向上があり、ポジティブな感情や対人関係を通じて肯定的な影響を与えていることが示唆された。
【方法】対象者は必修体育の受講生239名(女性98名、男性140名)であった。調査期間は2024年後期のPre(2~3回目)、Post(14~15回目)とし、調査は、社会情動的スキルに関する内容(誠実性、グリット、SOC)、学習に関する内容(学校適応感、体育の主観的恩恵、「授業を通じて得られたこと」の自由記述)で構成した。SPSSを用いて各調査について対応のあるt検定により前後比較を行い、クラスター分析を行い各クラスター×前後比較について二要因分散分析を行った。KHCoder を用いて形態素解析を行い同時に出現する語の組合せによる共起ネットワークを作成した。
【結果】前後比較の結果、社会情動的スキルに有意な変化は見られず、学校適応感と主観的恩恵のみ有意な変化(p<0.01)があった。社会情動的スキルの得点によるクラスター分析から、平均的な「標準群」(n=177)、グリットに優れた「優群」(n=25)、大学生活に慣れて欲しい「期待群」(n=37)の3群が抽出された。すべての群で学校適応感と主観的恩恵が有意に向上し(p<0.01)、交互作用は確認されなかった。Pre時の学校適応感は優群、標準群、期待群の順に高く(p<0.01)、主観的恩恵は優群が標準群および期待群よりも高かった(p<0.01)。自由記述では、チームワーク、協力、楽しさといった語が多く抽出された。
【結論】半期の大学体育授業は社会情動的スキルに有意な変化を与えなかったが、初期の社会情動的スキル特性に関係なく、学校適応感と主観的恩恵に有意な向上があり、ポジティブな感情や対人関係を通じて肯定的な影響を与えていることが示唆された。
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