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[生涯スポーツ-SA-3]Returning to the Roots of SportCommunity Club Initiatives through Play

*Atsushi Nagata1 (1. NPO Sports Community Iwata Polarstar)
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<演者略歴>
1990年学生時代にサッカースポーツ少年団ボランティアをはじめ、1994年より故郷である磐田市にてサッカークラブの指導を継続。2006年サッカークラブをNPO法人化しクラブマネジャーとして勤務。日本サッカー協会公認B級コーチ、フットサルC級コーチ、磐田サッカー協会技術副部長。
近年、スポーツクラブへの加入率が減少傾向にある。私たちのクラブでも、この5年間で約30%の減少が見られた。全国的にも、小学校5・6年生の加入率が大きく減少しているというデータ(2022年 笹川スポーツ財団)がある。背景には、学校部活動の地域移行により学校での活動機会が減ったことがあるが、民間や地域クラブへの流入も想定ほど伸びておらず、全体として競技人口が減少している。
もう一つの要因として、子どもや保護者のスポーツに対する価値観の変化が挙げられる。従来の「勝ちたい」「上手くなりたい」といった競技志向から、「楽しい」「仲間と関わりたい」といった楽しさやつながりを重視する傾向に移行していると感じている。
 そこで私たちは、スポーツをもっと気軽に、誰でも楽しめる「遊び」のようなものにしたいと考え、遊びの要素を取り入れた「サッカーあそびスクール」や「親子deボルビ」といったプログラムを実施している。また、幼稚園や保育園を訪問し、保育時間内に「リーベ式運動あそび」や「出前サッカーあそび」も展開している。
 これらの活動により、運動が苦手だったり内向的だったりする子どもがクラブに参加し、ボール遊びやスポーツの楽しさを体感している。一方で、運動が得意になった子どもが、より競技性の高い環境を求めてクラブを移るという傾向も見られる。
こうした状況から、「競技を本格的にやりたい層」と「楽しむことを重視する層」との二極化が進んでいるのではないかと感じている。そしてその背景には、「苦しいことを乗り越えることが競技力向上につながる」とする社会的な価値観も影響していると考えられる。
 私たちは、幼少期には親子や仲間と気軽にスポーツを楽しみ、その過程で「もっと上手くなりたい」「競技に挑戦したい」という自然な欲求が育まれることが、結果として持続的な競技力向上につながるということを示していきたい。

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