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[スポーツ文化-A-01]JICA海外協力隊体育隊員の活動考察(人)オートエスノグラフィ研究を用いて
*Norifumi Bamba1 (1. Nippon Sport Science University)
近年、開発と平和のためのスポーツに関する取り組みが盛り上がりを見せている。日本の取り組みの中心となるのは、JICA海外協力隊の体育・スポーツ隊員であると考える。だが、体育・スポーツ隊員の考察は十分にされず、特に、当事者視点による考察が成されていない。当事者視点の考察は、オートエスノグラフィ研究に該当する。よって、隊員の活動をオートエスノグラフィ研究を用い、考察する。その結果、活動における隊員の感情から、文化的・社会的理解を深める。さらに、対象のヨルダンにあるパレスチナ難民キャンプを考察するにあたり、オートエスノグラフィ研究を用いることが、適切である。なぜなら、ヨルダン国民の9割以上がイスラームを信仰し、イスラーム法を守り、生活している。箕浦(1990)が述べるように、日本とは異なる子ども観を有している。加えて、ヨルダンは、パレスチナから難民を受け入れてきた。結果、国連パレスチナ難民救済事業機関が管轄するキャンプが存在し、小中学校もある。国連パレスチナ難民救済事業機関(2000年)によれば、学校では、国連の掲げる価値と原則を確実に準拠するように努めているとしている。そのため、人権などに価値を置く考えが入ってくる。さらに、JICA海外協力隊を中心とした日本人の価値観も流入する。つまり、難民キャンプの学校は「異種混淆」した場所である。その環境での活動は、独自の困難さが生じる。その困難さを考察するには、活動を行った隊員の当事者視点が必要であると考え、オートエスノグラフィ研究を用いる。以上を踏まえ、本発表では、ヨルダンにおけるJICA海外協力隊の活動をオートエスノグラフィ研究と関連づけ述べる。その中では、自身の実践及び経験の振り返りによる意味の捉え直しを行い、活動を行った当事者による視点を重視する。さらに、「体育」や「スポーツ」、「難民」といったものに揺さぶりをかけることを試みる。
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