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[競技スポーツ-A-11]全国高校総体陸上競技800mおける通過順位および位置取りと最終順位の関係(コ)

*Koichiro Sato1, Fumiya Tanji2, Masaaki Sugita3 (1. Graduate of Physical Education, Tokai Univ. , 2. School of Physical Education, Tokai Univ., 3. Faculty of Sport Science, Nippon Sport Science Univ.)
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【背景】陸上競技800m種目のある地点における通過順位と最終順位には正の相関関係があり、集団の前方で走行することの優位性が示されている。一方で、後方での走行は空気抵抗が減少し、疲労を抑えられる利点もある。レース中に内側か外側のレーンを走行することも、総走行距離や走者のペース調整の自由度に影響する。したがって、通過地点における単なる通過順位よりも集団における位置取りが最終順位に影響を及ぼすと推定される。【目的】陸上競技800m レース中の通過順位および位置取りと最終順位の関係を明らかにすることを目的とする。【方法】2024年全国高校総体男子800mにおける予選、準決勝および決勝レースを撮影し、全てのレースを分析した。200m、400m および 600m 地点において、競技者の通過順位を読み取った。また、先頭走者からの距離と走行レーンから位置取りを算出した。【結果・考察】予選の通過順位および位置取りは200m(r=0.54および0.47)、400m(r=0.48および0.56)、600m(r=0.59および0.48)の各地点において、いずれも最終順位と有意な正の相関関係(p<0.05)が示された。これらの結果より、レース序盤から集団の前方に位置することが、最終順位を上位させる可能性が示唆された。先頭走者からの距離が短い走者ほど最終順位が上位になる傾向があり、600m 地点において先頭走者から6.2m以内に位置している場合、準決勝へ進出する可能性が高いことも示された。一方、準決勝および決勝は通過順位および位置取りのいずれも、600m地点のみ有意な正の相関関係が示された(r=0.58および0.52; p<0.05)。以上より、準決勝および決勝は予選と比べて走者の実力が拮抗しており、上位の最終順位を確実に獲得するため、600m地点までに前方および内側へ位置する傾向があると考えられる。

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