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[学校保健体育-B-08]体力二極化問題の改善に向けた小学校体育の授業の工夫(発)ボール運動・壁ありサッカーを事例にして

*Ryosuke Tsuda1 (1. Kanazawa Medical University)
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これまで運動する子どもとそうでない子どもの二極化問題が指摘されている(日本学術会議,2008)。ボール運動・サッカーは子どもに人気のある種目であるが、ボールが硬く当たると痛い、ボール操作が難しく連続性がない、などの問題点があるため、子ども目線に立った授業内容を考案することが重要である。これに関連して、壁ありサッカーの負荷特性を検討した結果、運動の得意な子どもだけでなくそうでない子どもも、ゲーム中の活動量が増えることが確認されている(津田ほか,2023)。そこで本研究では,ボール運動「壁ありサッカー」に着目し,その効果を石川県下のO小学校の児童32名(男子17名、女子15名)を対象に検討した。体育授業は2024年7月および9月の合計5時間であった。本研究では最初に「鬼ごっこ」、次に「ストップボール」、最後に「ゲーム」を行わせた。単元前後に,体力測定の項目の1つである反復横とびを測定した。また,前後に質問紙調査「運動・スポーツが好きですか」、「体育の授業が楽しいですか」を実施した。本研究の主な結果は次のとおりである。 対象者全体でみると、反復横とびの成績は介入前後で有意差は認められなかった(介入前:6±11.4回,介入後:46.5±6.5回)。 男女別にみると、反復横跳びの成績は女子では介入前後で有意差は認められなかったが(介入前:4±10.8回、介入後:46.9±5.9回)、県平均を下回っていた男子では単元後に有意傾向が認められた(介入前:43.1±11.9回、介入後:46.2±7.2回)。 質問紙調査「運動・スポーツが好きですか」、「体育の授業が楽しいですか」については、「好き」と回答した児童の割合は介入前後で変化は認められなかった。以上から、ボール運動「壁ありサッカー」の授業の成果として、県平均を下回っていた男子の反復横とびの成績が改善する可能性が認められた。

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