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[学校保健体育-B-10]大学生を対象にした〈開脚とび〉の指導に関する事例研究(コ,教)運動の先取りを促す用具の工夫に着目して

*Moriatsu Nakasone1,2 (1. Tokyo Gakugei University, 2. University of Tsukuba)
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本研究では、跳び箱運動における〈開脚とび〉の習得を促した指導事例の報告をする。対象はサッカーを専門としてきた男子学生である。跳び箱運動の経験が乏しく、指導当初は〈開脚とび〉を試みても着手で動作を止めてしまう様子が観察された。運動経過からは、着手技術の不足と運動投企の未形成が課題であると考えられた。そこで、本指導では跳び箱を斜めに設置し、着地地点が見えるように工夫するなど段階的な練習を導入した。結果として、着手局面から着地に至る運動の見通しが得られ、最終的に縦置きの跳び箱を跳び越えることが可能となった。本事例からは、終末局面を先に体験させる指導の有効性、用具の使用法における創意工夫の必要性が示唆された。また、片足踏切や片手荷重といった未熟な動作も、運動発達の一段階として肯定的に捉え直すことができる。初心者指導においては、特に安全に着地できるようにすること、それを見据えた着手と着地の確保、発達特性を踏まえた段階的指導が重要であることを示すことができた。

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