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[学校保健体育-B-13]「心臓の位置」の正答者は大学生が小学6年生よりもかなり少ない(保)素朴概念の存在が引き起こす心肺蘇生法の指導のためエビテンス
*Akira Kohama1, Mei Sunada2, Monobe Hirofumi3 (1. Sendai University, 2. Sakai City Akasakadai Junior High School, 3. YOKOHAMA National University)
「胸骨圧迫」とは「からだの外から心臓を圧迫することによって、血液の流れを人工的につくり出す」(東書中学教科書)とある。一方『中学保健体育の研究』(学研指導書)には「心臓は胸の左側にあるように思われているが、基本的には心臓の中心は胸の中央にある。ただし体全体に血液を送らなければならない左心室の方が右心室より大きく心筋も3倍も厚いので、体の正中線に対して左側にその3分の2が偏っている」とある。さらにAEDの役割は「正常な動きをしてない状態(心室細動)にある心臓に電気ショックを与え、正常な動きを取り戻す(除細動)」(学研中学教科書)とある。AEDはAutomated External Defibrillator〈De(除く)+fibrillate(細かく不規則な運動をする)+or(器)〉の頭文字で、日本では自動体外式除細動器と呼ばれる。さて発表者らは、2023年大会において、国立大学の教員養成系学部の小学校教員免許取得予定の1年生で、研究利用の同意が得られた198名を対象に、「胸骨圧迫の位置」「心臓の位置」「AEDの役割」の認識調査を実施した。通過率はそれぞれ順に66%、31%、22%であった。この結果をどのように解釈するか。今回は比較のため、2025年4月、体育系私立大学で、保健体育科教員免許取得予定の3年生で、研究利用の同意が得られた186名を対象に同様の調査を実施した。通過率は65%、29%、32%であった。「胸骨圧迫の位置」は両大学とも2/3が正答であった。「AEDの役割」は体育系私立大学3年生の正答者が有意に多い(p<.05)。「心臓の位置」「AEDの役割」は、いずれの大学も正答者が低位だった。特に「心臓の位置」は、発表者が2017年3月に小学6年生を対象に実施(倫理審査会:通知27-3)した通過率52%より、両大学とも誤答者が有意に多かった(p<.01)。
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