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[学校保健体育-B-14]胸骨に着目した姿勢の調整が立位姿勢および視点に与える影響(コ)高校生を対象に
*Sayuri Fukuoka1, Yumi Terayama2, Yasuko Hirono2, Masahiro Kokubu2 (1. Tsukuba Univ./Otemon High School, 2. Tsukuba Univ.)
内閣府の調査(2022)によると高校生のインターネット使用率は99.6%,1日の平均利用率は6時間14分であり,近年の高校生は頻繁にIC機器を使用する.1978年より実施されている子どもの「からだの変化」の調査において,2022年はネットゲーム依存症,うつ傾向が挙げられ(野井ら,2022),中高生の猫背姿勢の増加も報告されている(加藤ら,2014).猫背の姿勢はネガティブな精神を生むとも指摘されており(菅村,2015),自らの姿勢に意識を向け,調整する力を育むことは心身の健康を維持するためにも必要だと考えられる.これまでの姿勢研究では,「背骨」に着目して姿勢を調整することの効果が検証されているが,それ以外の部位に着目した研究はない.実際に触れながら視覚的にも確認できる「胸骨」は高校生にも自覚させやすい部位である.本研究は,胸骨に着目した姿勢の調整が立位姿勢および視点に与える影響を明らかにすることを目的とした.高校生105名を対象とし日常の立位時と胸骨に意識を向けて調整を行った立位時の体幹部の姿勢と視点を対応のあるt検定を用いて比較した.有意水準は1%未満とした.姿勢を評価するために,立位時の静止写真を撮影し,第7頸椎,第10胸椎,上後腸骨棘に貼付した反射マーカーと地面設置した4点の校正点の位置をデジタイズした.校正点を基にした相似変換によって,矢状面における身体各点の位置を算出した.第10胸椎と上後腸骨棘を結ぶ線に対して,第7頸椎と第10胸椎を結ぶ線の前傾は,調整前よりも調整後で有意に低下した.また,視点の位置は,頭部装着型の視線計測装置を用いて視界の映像を記録し,視線データから視点の位置を算出・比較した.その結果,調整前よりも調整後で視点の位置が有意に高くなった.以上の結果から,胸骨に着目した姿勢の調整によって,猫背姿勢が改善され,視点の位置が高くなることが確認された.
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