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[06経-口-01]総合型地域スポーツクラブにおけるクラブマネジャーの世代交代

*Takayuki Nishimura1,2, Seiichi Sakuno2 (1. Kanazawa Seiryo Univ., 2. Waseda Univ.)
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本研究では総合型地域スポーツクラブの持続可能なマネジメントにむけたクラブマネジャーの世代交代のプロセスを明らかにすることを目的とした.具体的には,個人や組織が出来事や状況に意味を見出し,理解し,それにもとづいて行動するための継続的なプロセスであるセンスメイキングの理論的枠組みを用いて,総合型クラブにおけるクラブマネジャーの世代交代が「なぜ」,「どのように」なされるのかというプロセスの可視化を試みた.
 3つの総合型クラブを調査対象とし,各クラブの先代マネジャーと後継マネジャーに対するインタビュー調査で得たデータを分析した.その結果,各クラブの先代マネジャーと後継マネジャーのそれぞれのセンスメイキングを明らかにし,両者を対照させることでクラブマネジャーの世代交代のプロセスが可視化された.
 センスメイキングの個人差に着目するという分析視座は,最終的に組織化される各種の行為が個人の意見の相違や不一致をどのように超克していくかをより明確に説明するものであった.また,①先代マネジャーが「経験学習リーダーシップ(職場メンバーの経験学習をうながす指導)」を発揮し,意識的・意図的に後継マネジャーの成長機会を創出すること,②クラブマネジャー単独でリーダーシップを発揮するのではなく,リーダーシップの影響力がメンバーに分散した創発的なマネジメントチームを構築していくこと,の2点がクラブマネジャーの世代交代の促進に貢献するという実践的示唆が得られた.そして,クラブマネジメントにおける経営と運営のリーダーシップが機能分化してきていることがクラブマネジメントに関わる人材の成長段階に「クラブ経営者(チーフエグゼクティブ)段階」を生じさせ,クラブマネジャーの世代交代と総合型クラブの事業承継が異なる次元で展開する構造が示唆された.

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