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[00哲-口-06]eスポーツのオリンピック導入に関する研究の動向哲学的研究を中心に

*Kotaro Ito1, Mizuho Takemura2 (1. Grad. Sch. Toyo Univ., 2. Toyo Univ.)
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本研究は, 国内外におけるeスポーツのオリンピック導入に関する先行研究を精査し, その研究の動向及び今後の課題について明らかにすることを目的とする.
 近年, 国際オリンピック委員会(以下IOCと略す)は, eスポーツと呼ばれる活動の導入に積極的である. このようなIOCの動向は, 経済的, 社会的, 政治的のみならず, 学術的, 教育的にもeスポーツの関わり方に大きく影響している.
 先行研究を概観すると, eスポーツのオリンピック導入に関する研究については, ①我が国では研究蓄積が少ないこと. ②諸外国では, eスポーツがオリンピックの価値にどの程度当てはまるのかを検討するような研究が近年盛んであること. ③eスポーツがオリンピック・プログラムに採用され得るのかスポーツ概念論を含めた哲学的研究がされていること, の3点が研究動向として見て取れる. 以上の結果から, 我が国ではまず諸外国で取り組まれてきた②③の研究内容について批判的に検討し, 学術的な見解を提示する必要があろう. また, このような基礎研究に取り組むことにより, IOC主導のeスポーツをめぐる動向から取り残されないようにするべきである.
 とりわけ本研究においては, スポーツ哲学分野における先行研究に焦点を当てる. 当該分野おいては, eスポーツのオリンピック導入に関する研究では中心的な論稿とされるJ.パリーの主張の批判的考察は避けて通れない. したがって, J.パリーがどのようにスポーツを定義し, どのような方法論を採用しながら考察をしているのかまで遡り, 彼のスポーツ概念や各主張の妥当性を検討することを主たる具体的課題とする. そのうえで, 新たな研究課題の提示を試みることとする.

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