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[07発-口-04]児童の活動的な習慣と社会情動的スキル得点の関係OECDの社会情動的スキル尺度を用いた検討

*Takahiro Nakano1, Taichi Mizuno1, Takahashi Konoha1, Inada Mamoru1 (1. Chukyo University)
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[目的]子どもの運動には体力向上や健康増進に加え、様々な教育的効果が期待される。近年、教育的効果は認知能力に加えて非認知能力(社会情動的スキル:SES)も重視されており、OECDは国際調査の結果を公表している。しかし、運動とSESの関係を示す研究はわずかである。そこで本研究では、OECDのSES scale の短縮版を構成し、SESと活動的習慣との関係の検討を目的とした。[方法]4~6年生の児童2223名を対象とし、活動的習慣に関する10項目とSES scale 短縮版を分析対象とした.OECDのSES Scaleは120項目で構成されるが本研究では各因子を構成する上位3項目を抜粋した45項目を用いた。分析手続きは、1) SES scaleの短縮版がオリジナル同様の因子構造となることを確認(因子分析)、2) 活動的習慣の10項目を用いた対象者の分類(クラスター分析)、3) クラスター間でのSES Totalおよび15因子の得点差の検討(ANOVA)、であった。[結果・考察]SES Scaleの短縮版が15因子の単純構造になることが確認された。1:運動時間も長く活発、2:平均的だがゲーム時間が長い、3:文化系よりで屋内遊びが多い、の3つのクラスターが生成された。SES Totalおよび全15因子でクラスター間に有意な得点差が確認された。多重比較の結果、SES Total、積極性、活発さ、好奇心、社交性、協同、共感、楽観主義の因子では、全クラスター間に有意差が確認された。自制心、寛容、忍耐力、感情コントロールの因子では、クラスター1のみが有意に高く、信頼、ストレス耐性の因子では、クラスター3のみが有意に低かった。創造性ではクラスター1と3、責任感ではクラスター1と2の間に有意差が確認された。活動的な習慣はSESに良い効果をもたらす可能性が高いが、因子ごとに影響の大きさに違いがあることが示唆された。

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