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[11教-口-05]小学校の体育授業における準備運動に運動遊びを取り入れた効果①投能力と跳能力、心理社会面の変容
*YOSHIHITO SATO1, YASUYUKI KUBO2, REIKO SASAKI3 (1. Sugiyama Jogakuen Univ., 2. Japan Institute of Sports Sciences, 3. Keio Univ.)
体力・運動能力の低下、二極化が問題となって久しい。小学校における体育授業はこの状況の改善に貢献することが期待されているが、児童の現状を鑑みるに、十分には役割を果たしていないと思われる。限られた時数の中では、学習指導要領に示された領域の学習内容を実施することが中心となり、体力・運動能力向上に向けた取り組みまでは手が回らないのが現場の実状であろう。 本研究では、体育授業における準備運動に焦点を当てる。これまでの準備運動では、いわゆる徒手体操や、ストレッチング効果が期待される運動を実施することが多かった。ここでは、準備運動に運動遊びを取り入れ、児童の投能力と跳能力および心理社会面に変化がみられるかどうかを調査する。なお実施した運動遊びは、(公財)日本スポーツ協会がその普及を推進する「JSPO-ACP」のガイドブックで紹介されている内容から選定した。 研究対象は東京都内H小学校4年生102名であった。2024年10月から11月にかけて、計9回の体育授業の準備運動時に、投能力と跳能力に関連する運動遊びを実施した。指導者は、教員免許状を持つ大学院生を中心とした学生であったが、事前に実施する内容を検討し、担任教師に報告して進めた。なお指導の際、特別に投げ方や跳び方の指導は実施していない。運動遊び実施の効果を測定するために、事前事後にソフトボール投げと立ち幅跳びを測定し、変容を分析した。また、運動遊びが児童の心理社会面にどのように影響したのかを明らかにするために、竹中(2016)が作成したプレイフルネス評価尺度を用いて、こちらも事前事後の変容を分析した。 その結果、ソフトボール投げの投距離は初回の測定記録下位群の児童が、立ち幅跳びの跳距離は全体、下位群、女子児童で向上した。また、心理社会面にも変容が見られた。これらのことから、準備運動時に運動遊びを実施することの効果が示唆された。
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