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[11教-口-10]社会構成主義における「知識の理論」と体育授業具体的実践像の探究
*Shoko Makino1 (1. International Budo University)
社会構成主義は、学習者に知識を一方向的に教え込む授業から、学習者と教師、学習者相互の間で知識を構成する授業へと転換する可能性をもっている。社会構成主義とは、人々が現実とみなしているものは、社会的に構成されたものであると捉える立場である。社会構成主義では、知識も歴史や文化、社会によって構成され、支えられたものであると考える。このような見方は、世界や人々を形成している内部には何かしらの不変的な「本質」が存在すると捉える本質主義の問題点を浮き彫りにする。本質主義に立つ授業では、教師がもつ知識を「唯一絶対の正解」とみなし、知識を確実に獲得することが求められる。それに対し、社会構成主義に立つ授業では、不変的な「本質」や「唯一絶対の正解」とされる知識に批判的・懐疑的な立場をとる。そのような授業では、知識の獲得ではなく、教師や学習者、学びに関わる人々によって知識を共同で探究し、再構成することが求められるのである。では、このような社会構成主義における知識の再構成の理論は、体育授業においてどのようなかたちで応用しえるのであろうか。体育ならば、その教科特性である技能に関しても、構成されるものとして扱う可能性を検討しなければならないだろう。本報告ではこのような問題意識のもと、社会構成主義における知識の再構成の理論の体育授業への応用可能性と具体像を提示しようとする。本発表では、日本の体育授業研究における社会構成主義の視点に立つ授業実践を取り上げ、その応用可能性について検討したうえで、社会構成主義における知識の再構成がより顕著に実現された授業の具体例を提示したい。
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