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[11教-口-23]教員養成大学におけるパルクール授業の実践報告ー第一報ー

*Koichi Hasegawa1, Hideyo Aramoto3, Ryosuke Inagaki2 (1. Joetsu University of Education, 2. Gifu Shotoku Gakuen University, 3. Japan Parkour Commission.)
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パルクールは、走る・跳ぶ・登るといった移動動作を通じて心身を鍛える運動文化であり、その起源はフランス軍の訓練法であり、現在では競技・パフォーマンスとしても展開されている(松川,2019;泉,2019)。近年は映像メディアの拡散によって日本でも関心が高まりつつあるが、派手な技術が注目されるあまり、「危険」や「エクストリーム」といったイメージが先行する傾向がある。
しかし本来のパルクールは、受け身や衝撃回避など安全な身体操作を前提とする技術が集積されており、実践者は基礎動作の積み重ねと段階的な技能の習得を重視している(泉,2019)。この点は、「多様な動きをつくる」「動きを高める」ことを目的とする日本の「体つくり運動」(文部科学省,2018)と高い親和性を持ち、教育的にも大きな可能性を有している。
すでにヨーロッパでは教育現場への導入も進んでおり、特にデンマークにおいては専門施設や教育機関の整備が進み、学校体育の一環として定着している(松川,2019)一方で、パルクールを適切に実践するためには、初心者が無理な技に挑戦するリスクを避けるための自己理解と安全意識の涵養、さらに指導者の適切な支援が不可欠であるとされている(ベリンダ,2019)。
近年、日本でも一部の教育機関において授業実践が報告されているものの(廣瀬・黒谷,2025)、依然として危険性への懸念は根強く(長谷川,2024)、体系的な指導モデルを構築することが課題となっている。
そこで本研究では、将来的な初等中等教育への展開を見据え、教員養成大学において全15回のパルクール授業を設計・実践した。対象は初等教育課程1年次の学生28名であり、「基礎的動作の体得」「競技型模擬大会」「屋外実践」「動画編集を通じた再認識活動」といった多面的な学習内容及び方法で授業を構成した。

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