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[08測-口-03]ジュニア期の陸上競技100m走におけるスプリント能力とプライオメトリクスパフォーマンスとの関係

*Shizuku Watanabe1, Daichi Ogasawara1, Ni An1, Hidetsugu Kobayashi1 (1. SAPPORO INTERNATIONAL UNIVERSITY)
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本研究は発育発達期のジュニア選手における100m走のピッチ、ストライド、疾走速度、プライオメトリクスパフォーマンスの関係を明らかにすることを目的とした。
被験者は陸上競技を行う小学5年生から中学3年生24名であった。測定項目は100m走タイム、メディシンボール前・後投(0.6kg、2kg)、リバウンドジャンプ、立五段跳、両脚五段跳の6項目であった。
スプリント能力に基づく上位群中位群下位群の3群間の一要因分散分析、及び多重比較検定の結果、100m走のストライドと疾走速度では全区間において上位群と下位群の間に有意な差が認められた。メディシンボール前・後投では、下位群中位群より上位群の順にパフォーマンスが有意に高かった。立五段跳と両脚五段跳では、下位群より中位群上位群でパフォーマンスが有意に高かった。100m走ではストライド、疾走速度、パワーとの間に中程度以上の相関係数が認められ、身長の影響を除いた偏相関係数においても同様の傾向が確認された。
スプリント走ではストライドと疾走速度間の関係は高く、成人同様ジュニア期においてもストライドはスプリント能力に関与すると推測される。メディシンボール前投げは、スプリント走で動員される主要筋群と同様な筋発揮であり、パワー発揮がストライド長の確保と関連すると推測される。メディシンボールの重量に関しては、ストライドと疾走速度の関係が高かった2kgがジュニア期のトレーニングに適していると推察される。さらにリバウンドジャンプのパフォーマンスを規定する体力因子では、短時間で大きな筋出力を発揮するSSCの能力が重要であり、それを高めるトレーニングの重要性が示唆される。立五段跳、両脚五段跳においても、疾走時に身体を前方へ移動させるキック時の筋発揮が行われ、疾走速度を決定する要因であるピッチやストライドの増大に影響を及ぼすと推測される。

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