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[05バ-口-07]高齢者における運動神経の働きと骨格筋の量を反映する指標の関係“神経筋チャート”を用いた個人が有するトレーナビリティの定量化・視覚化を目指して

*Kohei Watanabe1, Kaito Igawa2 (1. Chukyo University, 2. Graduate School of Chukyo University)
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最大筋力といった筋パフォーマンスの規定因子は、多岐にわたるが、運動神経の働きと骨格筋の量はその主たる要因である。高校サッカー選手を対象とした研究では、これら2つの要因を反映する指標は負の相関関係にあった(Yoshimura, Watanabe et al. IJSPP 2022)。このことは、個人が有する運動神経の働きと骨格筋の量の特性には個性があり、筋力の増大を目的とした筋力トレーニングを実施する際には、その個性に合わせたメニューの提案が必要であると考えられる。近年では、高齢者においても筋力トレーニングの実施が推奨されており、個人に特化した効果的なメニューの提案は、超高齢社会に関連した様々な社会課題の解決に繋がると考えられる。本研究の目的は、高齢者を対象として、運動神経の働きと骨格筋の量を反映する指標の関係を明らかにすることとした。高齢男女38名(72.3±5.4歳)を研究対象とした。運動神経の働きの指標として、等尺性膝関節伸展運動での最大下筋力発揮中の外側広筋における高密度表面筋電図を記録し、単一運動単位の活動へ分離したのちに、運動単位の発火頻度と動員特性を定量化した。骨格筋の量の指標として、超音波画像法を用いて外側広筋における筋厚および生体インピーダンス法を用いて下肢筋量を測定した。運動単位の発火頻度は、筋厚および下肢筋量と有意な負の相関関係を示した(p < 0.05)。運動単位の動員様式は、筋厚および下肢筋量と有意な正の相関関係を示した(p < 0.05)。運動単位の発火頻度および動員様式に関する指標は、加齢に伴って減少および増加することが知られているため、運動神経の働きと骨格筋の量を反映する指標は個人間で相反することが示された。高齢者においても、運動神経の働きと骨格筋の量には個性があり、そのトレーナビリティにも大きな個人差が存在することが示唆された。

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