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[03心-口-02]大学生の運動能力観に関する研究

*Hisashi Furuta1, Akiko Shikano2, Ryo Tanaka2, Shingo Noi2 (1. Saitama University, 2. Nippon Sport Science University)
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自身の能力・才能をどのように捉えるか(能力観)が学習行動に影響することが知られている。そこで、本研究は大学生を対象に、運動・スポーツに関する能力観(運動能力観)の実態を明らかにすることを目的として調査を行った。Microsoft Formsを用いて調査を行い、大学生326人(女性180人、男性143人、回答しない3人)から回答を得た。能力観に関する質問項目は、次の3つのタイプであった。1) 広域的な能力観: 言語、数学、音楽、運動・スポーツの4分野について、それぞれの分野の能力・才能を固定的(すなわち、遺伝的・先天的に決定される)と考えるか、増大的(すなわち、経験的・後天的に決定される)と考えるか。2) 運動・スポーツ分野における狭域的な能力観: 学習指導要領(保健体育)の運動7領域について、それぞれの領域の能力・才能を固定的と考えるか、増大的と考えるか。3) 自由記述: これまでの運動・スポーツ経験の中で「自分自身の能力や才能の限界を感じたこと」、及び「努力次第でどうにでもなると感じたこと」についての説明。
 分析の結果、広域的な能力観については、運動・スポーツと音楽分野では固定的能力観を持つ者が増大的能力観を持つ者より多かった(運動・スポーツ: 固定的約6割、増大的約4割、音楽: 固定的約7割、増大的約3割)。他方、数学分野では固定的と増大的が約半々であった。言語分野では、増大的能力観を持つ者が約8割となり、固定的能力観を持つ者より多かった。狭域的な能力観については、陸上競技とダンスでは固定的能力観を持つ者がそれぞれ約7割と過半数で多かった。球技では約半々であった。器械運動、水泳、体つくり運動、武道では、増大的能力観を持つ者が、過半数から約8割と多かった。自由記述データの詳細については発表当日に報告したいが、能力観は広域的にも狭域的にも分野・領域によって大きく異なることが明らかとなった。

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