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[01史-口-08]ドイツのスポーツ政策に関する研究1980年代の連邦政府スポーツ報告書の分析を中心に

*Atsurou Hougaku1 (1. Osaka Seikei University)
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わが国におけるドイツ連邦共和国(以下、ドイツ)のスポーツ政策に関する研究の多くでは、スポーツ政策の基本方針、競技スポーツ、特定の施策(ゴールデンプラン、第二の道、トリム運動等)等に焦点があてられ、国家的なスポーツ政策の全般的な内容及び変容の分析等は不十分と考えられる。本研究は、連邦政府スポーツ報告書(以下、報告書)を手懸かりに、1970年代以降の同国のスポーツ政策を検討するものである。報告書が初めて出されたのは1970年であり、それは連邦政府のスポーツ支援に関する最初の包括的な報告書であった。報告書は以後継続的に出され、重要な資料と考えられるが、先行研究では殆ど用いられていない。今回は、主に1980年代の報告書を手懸りに、1970年代の同国におけるスポーツの状況、1980年代の同国のスポーツ政策の基本方針、内容、特徴等について検討した。結果、主に次が明らかになった。①1970年代に同国では、高水準スポ―ツのインフラ整備等が進展し、ドイツスポーツ連盟、ドイツオリンピック委員会はテレビくじの収益等から十分な自己資金を持ち、また、スポーツ支援を協力的、円滑に行うための組織等がつくられた。②1980年代のスポーツ政策の基本方針は、1970年代のそれとあまり変化していない。③1980年代において、連邦政府は、内務省を中心に、主に、高水準スポーツ、スポーツ施設建設、スポーツ科学、その他の領域(大衆スポーツ、障がい者スポーツ、教育制度におけるスポーツ、青少年スポーツ、連邦職員の職務・補償スポーツ)、東西ドイツスポーツ交流、発展途上国のスポーツ等を支援し、スポーツの税的支援や間接的援助・支援を行っている。④1980年代に、連邦政府は、1970年代以上に、スポーツと環境、スポーツと税、スポーツと暴力、スポーツと経済の問題に積極的に取り組もうとしている。

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