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[13ア-口-06]KUNDE柔道が晴眼者の柔道の技術向上に与える影響

*Yujiro Seto1, Mayumi Saito2 (1. Fukuoka Prefectural Itoshima High School , 2. University of Tsukuba)
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国内の視覚障害者柔道における諸課題を解決する手段のひとつとして、視覚障害の有無にかかわらず互いに組み合った状態から始める「KUNDE柔道」を発案した。KUNDE柔道を普及させるためには、晴眼者が組んで始める柔道を継続的に実践する動機を提示する必要があると考え、KUNDE柔道の技術に着目した。本研究の目的は、KUNDE柔道の実践によって変化、向上する柔道の技術を明らかにすることである。対象と方法については、大学柔道部に所属する晴眼の柔道部員7名に対して、3週間の稽古における乱取り稽古をKUNDE柔道によるものに置き換えて実施し、それによって変化、向上した柔道の技術について半構造化インタビューを行った。インタビューから得られた質的データは『語り』として処理を行いテーマティック・アナリシス法を用いて分析した。分析の結果、【組み方の違い】などのKUNDE柔道の特性を示す6つのテーマと、【技や技術の変化】などのKUNDE柔道の効果を示す4つのテーマ、合わせて10のテーマとそれらを構成する38のサブテーマが生成された。語りをもとに考察を行い柔道の技術の観点から再構成したところ、KUNDE柔道の実践によって「組み手の選択肢の増加」、「優位な状態を作る技術の向上」、「技の向上」の3つの事項で技術が向上することが示唆された。また、これらの技術を向上させるためにKUNDE柔道が有用な稽古方法であること、KUNDE柔道の実践が、柔道に必要な体力要素の向上と、組手争いのある乱取りの質を向上させることも示唆された。

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