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[04生-口-01]パワーリフティング選手におけるマウスガード使用が肩関節等速性筋力に及ぼす影響

*Yasuhiro Sugajima1, Naotaka Ishida2, Toshikazu Omori1 (1. Asahi Univ., 2. Aichigakuin Univ.)
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背景と目的: パラパワーリフティング競技では、最大重量挙上には安定した動作が不可欠である。競技スポーツでは、歯や口腔保護と噛み合わせ改善のためマウスガード(MG)使用が推奨されており、MG装着による筋力増加も報告されている。本研究は、MG装着が肩等速性筋力に与える影響を筋電図学的に検証した。 方法: 大学生ラグビー選手男子11名を対象とし、Biodexを用いて肩等速性筋力を60°/s、120°/s、180°/sの速度で、短縮性収縮による座位での対角運動(腕振り上げ-腕振り下ろし)を連続5回計測した。計測条件は、①MG未装着(NMG)右肩筋力、②NMG左肩筋力、③MG装着(MG)右肩筋力、④MG左肩筋力の4条件であった。筋力計測時に、左右の咬筋、三角筋、大胸筋から筋電図(EMG)を導出記録した。筋量、関節可動域、肩等速性筋力(最大トルク/体重、立ち上がりトルク、最大トルク発生時間)、およびRMSを解析した。 結果と考察: 筋量、筋厚、関節可動域に利き手と非利き手間の有意差はなかった。肩等速性筋力において、体重当たり最大トルクおよび立ち上がりトルクの非利き手/利き手比がMG装着により有意に変化した。また、最大トルク発生時間も有意に短縮した。 動作中のEMG活動は、三角筋は腕の振り上げ、大胸筋は振り下ろしの局面でそれぞれ活動し、咬筋は両局面で活動していた。RMSでは、MG装着時に咬筋活動が両局面で有意に増大した他、三角筋は腕振り上げ局面で、大胸筋は振り下ろし局面でそれぞれ有意に活動が増大した。この咬筋活動の増大は、噛みしめが脊髄運動神経の興奮性を亢進させ、筋活動を増強するという既報と一致する可能性があった。 MGは噛み合わせの改善を通じて筋活動を増強し、筋力、特に初動時の筋力増大と利き手・非利き手の筋力バランス改善をもたらす可能性が示唆された。

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