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[04生-口-02]性差が運動後低血圧に及ぼす影響

*Kohei Dobashi1, Tomoka Matsuda2 (1. Hokkaido Univ. of Education, 2. Nagoya Univ.)
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【背景】長時間の動的運動後には動脈血圧が運動前よりも低下する運動後低血圧が生じる場合がある。運動後低血圧は運動後失神の要因の一つと考えられているため、運動後低血圧を誘発する要因を明らかにすることは重要である。運動後低血圧を検討した多くの研究では男性被験者を対象としており、性差が運動後低血圧に及ぼす影響は明らかではない。【目的】本研究では性差が運動後低血圧に及ぼす影響を検討することを目的とした。【方法】被験者は健康な成人男性12名および女性13名 (卵胞期初期) を対象とした。30分間の安静を取ったのち、60分間の自転車運動 (70%最高酸素摂取量強度) を行った。その後、30分間のリカバリーをとった。動脈血圧において、運動前安静時は10分毎、運動後の回復期は5分毎に測定した。運動後の血圧の最小値の出現が被験者間で異なっていたため、運動前安静時の平均値から血圧の最大低下量を計算し、運動後低血圧の程度を算出した。【結果】運動前安静時から運動後における平均動脈血圧 (–8.3 ± 4.7 vs. –4.1 ± 6.0 mmHg) および拡張期血圧 (–7.5 ± 4.2 vs. –3.4 ± 4.2 mmHg) の最大変化量は女性よりも男性で有意に大きく (both P < 0.03)、収縮期血圧の最大変化量は女性よりも男性で大きい傾向を示した (–11.9 ± 7.7 vs. –6.4 ± 5.6 mmHg, P = 0.053)。また、平均動脈の最大変化量は最高酸素摂取量と負の相関が見られた (r = –0.453, P = 0.023)。【結論】持久性運動後の運動後低血圧の程度は女性よりも男性で大きいことが明らかとなった。また、運動後低血圧の程度の差は有酸素性能力 (i.e., 最高酸素摂取量) に関連していることが示唆された。

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