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[04生-口-03]ワンサイドスカッシュを通した小学校3年生の心理尺度と唾液セロトニン濃度の変化

*Katsuyuki Tokinoya1, Akihisa Umezawa1, Takuma Degoshi2 (1. Yokohama National University, 2. Kamakura elementtary school)
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【背景】学校教育は時代の変化に合わせて指導方針を変遷させてきた。特にVUCA時代において、新たな教育の在り方が求められている。近年、ウェルビーイングの概念が教育現場において重要視されており、身体的、精神的、社会的に良好な状態を意味するこの概念の実践が、豊かな未来の創造に繋がるとされている。特にストレスフリーな健康的ライフスタイルの重要性が指摘されており、唾液を用いた非侵襲的なストレス評価が教育現場での応用が期待できる。唾液セロトニン濃度は、別名幸せホルモンと呼ばれ、運動やストレスの軽減によって、分泌が促進されることが知られている。【目的】本研究の目的は、小学生を対象とした体育授業の単元を通して、幸福感の変化を明らかにすることである。具体的には、授業前後の唾液中セロトニン濃度を測定し、さらに心理指標を用いて心身の自己調整に関する変化を明らかにする。【方法】研究対象は、保護者の同意を得た24名の小学校3年生であり、唾液の分析には13名を対象に実施した。対象とした単元は、ボール運動系であるワンサイドスカッシュを全5回の構成で行った。測定は、5回の授業のうち、1回目、3回目、5回目の授業前後に実施した。授業前後に唾液を採取し、セロトニン濃度を測定した。また、心理的な変化を評価するため、二次元気分尺度(子ども用)を使用して、授業前後に測定用紙に記入した。【結果・考察】授業前後での快適な気持ちは、運動後に有意に上昇する結果が得られた。一方で、唾液中のセロトニン濃度は、授業前後で有意に低下するという結果が得られた。この結果は、体育授業を通して身体的な活動が心理的な状況下では、快適な気分になっていることが明らかとなった。一方で生化学的な指標であるセロトニンが低下した理由は、他の唾液ストレスマーカーなども測定して、包括的に今後検討していく余地がある。

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