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[04生-口-07]国内トップレベルのローイング選手における酸素摂取動態と運動パフォーマンスとの関連

*Jun Koizumi1, Kei Hatano1, Mariko Nakamura1, Takeo Matsubayashi1 (1. Japan Institute of Sports Sciences/ Japan High Performance Sport Center)
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【背景】酸素摂取量(VO₂)の立ち上がりの速さを表す時定数は有酸素性能力を評価する指標の一つである。ローイング選手ではVO₂動態の時定数と運動パフォーマンスには有意な相関関係が報告されている。しかし、トップレベルのローイング選手においても、VO₂動態の立ち上がりの速さと有酸素性能力や運動パフォーマンスとの関連あるかどうかは不明である。【目的】国内トップレベルのローイング選手のVO₂動態を評価し、最大酸素摂取量(VO₂max)や乳酸作業性閾値、運動パフォーマンス指標との関係を明らかにする。【方法】男性ローイング選手24名を対象とした。ローイングエルゴメーターにて漸増負荷試験を実施しVO₂を測定した。3分の運動を1分の休息を挟み行い、負荷は200Wから50Wずつ漸増させた。1分の休息時に血中乳酸濃度を測定し、2mmol/L(LT)および4mmol/L(OBLA)時の運動強度をそれぞれ算出した。VO₂の時定数は200W開始時のVO₂を指数関数式による近似によって算出した。パフォーマンス指標は漸増負荷テストより算出した2km推定タイムを採用した。時定数とVO₂max、LT、OBLAおよび2km推定タイムとの関連を検討した。【結果】VO₂maxは4.46±0.35L/min、LT強度は261.6±35.0W、OBLA強度は318±36Wであった。2km推定タイムは6.34±0.22分であった。時定数は18.7±3.6秒であった。時定数と2km推定タイム(r=0.587、p<0.01)およびVO₂max(r=-0.479、p<0.05)には有意な相関関係があったが、LTおよびOBLA強度との間に有意な相関関係はなかった。【結論】トップレベルのローイング選手において、VO₂の立ち上がりの速さは運動パフォーマンスや有酸素性能力を反映する指標であることが示された。

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