Presentation Information
[03心-ポ-19]文脈情報によるバイアスが側方へのステップ反応に及ぼす影響左右の刺激呈示比率に着目して
*Teppei Saegusa1, Soshiro Ueno1, Katsuma Kondo1, Masahiro Kokubu2 (1. Graduate School , University of Tsukuba, 2. Institute of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba)
常に状況が変化するスポーツ競技において、選手は多くの情報を処理しながら判断・行動している。中でも相手の動きを予測して判断する能力は重要であり、選手はプレー傾向などの文脈情報をもとに視覚情報を活用している。こうした情報は予測を助ける一方、過度なバイアスは判断精度の低下を招く可能性がある。しかし、実際の動作における文脈情報の影響は十分に検討されていない。そこで本研究では、文脈情報に基づく予測が反応動作に及ぼす影響を検討した。
実験は一般成人10名(平均年齢23.2, SD=2.0歳)を対象に行った。参加者は2台のWii Balance Boardに乗り、左右に呈示される光刺激に対して1歩ステップする課題に取り組んだ。刺激の呈示比率は25:75、50:50、75:25の3条件(各24試行)、0.2秒後に方向が切り替わるフェイントの有無による2ブロックからなる計6条件を設定した。フェイントありでは各ブロックの半数がフェイント試行であった。反応は片足の荷重が体重の1%未満になった時点とし、刺激前の平均荷重の120%以上を反応側脚に示した試行をDeceived Trialと定義した。荷重分配の非対称性はSI(Symmetry Index)で評価した。
結果として、反応時間はフェイントにより遅延した(p=.025)。正反応率はフェイント(p=.002)、25%側への呈示(p=.017)により低下し、特に25%側でのフェイント試行での低下が顕著であった(p=.012)。Deceived Trialの割合はフェイントで増加した(p=.007)。SIには有意な影響はなかった。
以上の結果から、予測に過度なバイアスがかかることはパフォーマンスの低下につながる可能性が示唆された。また、文脈情報はSIには影響を及ぼさなかった。バイアスが動作におけるどの部分に表出されるかについてさらなる検討が必要であると考えられる。
実験は一般成人10名(平均年齢23.2, SD=2.0歳)を対象に行った。参加者は2台のWii Balance Boardに乗り、左右に呈示される光刺激に対して1歩ステップする課題に取り組んだ。刺激の呈示比率は25:75、50:50、75:25の3条件(各24試行)、0.2秒後に方向が切り替わるフェイントの有無による2ブロックからなる計6条件を設定した。フェイントありでは各ブロックの半数がフェイント試行であった。反応は片足の荷重が体重の1%未満になった時点とし、刺激前の平均荷重の120%以上を反応側脚に示した試行をDeceived Trialと定義した。荷重分配の非対称性はSI(Symmetry Index)で評価した。
結果として、反応時間はフェイントにより遅延した(p=.025)。正反応率はフェイント(p=.002)、25%側への呈示(p=.017)により低下し、特に25%側でのフェイント試行での低下が顕著であった(p=.012)。Deceived Trialの割合はフェイントで増加した(p=.007)。SIには有意な影響はなかった。
以上の結果から、予測に過度なバイアスがかかることはパフォーマンスの低下につながる可能性が示唆された。また、文脈情報はSIには影響を及ぼさなかった。バイアスが動作におけるどの部分に表出されるかについてさらなる検討が必要であると考えられる。
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