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[03心-ポ-21]体育授業における原因帰属と自己調整学習との関係における自己効力感の調整変数としての機能

*Yasu Susaki1, Kenji Kubo2, Terumi Tanaka3 (1. Shimane Univ., 2. Hiroshima Univ., 3. Surugadai)
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本研究は,中学校体育授業における成功時と失敗時における原因帰属が自己調整学習方略の使用に及ぼす関係と,この関係性において自己効力感が調整変数として寄与する効果について検討することを目的とした.調査は,1つの中学校の1年生から3年生を対象に行い,調査協力が得られた423名を分析対象とした.調査内容は,体育授業における成功時と失敗時における原因帰属尺度,自己調整学習方略尺度,自己効力感尺度であった.原因帰属は,能力,努力,運,種目,先生,相手,調子の7つの原因に対して,成功時と失敗時にどの程度帰属するかについて回答を求めた.自己調整学習方略は,目標設定,動機づけ調整,試行錯誤,模倣,協同,自己省察の使用の頻度について回答を求めた.自己効力感は,体育授業における学習課題遂行の自信について回答を求めた.分析は,階層的重回帰分析を行い,成功時と失敗時における原因帰属,自己効力感,原因帰属と自己効力感の交互作用項を独立変数とし,従属変数は自己調整学習方略とした.なお,ステップ1では成功時と失敗時における原因帰属と自己効力感を投入し,ステップ2では原因帰属と自己効力感の交互作用項を投入した.分析の結果,交互作用が有意であったため,単純傾斜の検定を行った.その結果,自己効力感が低い生徒と高い生徒は,成功時の原因帰属が自己調整学習方略の使用を促すことが示された.また,自己効力感が低い生徒は,失敗時の原因帰属が自己調整学習方略の使用を抑制していた.これらのことから,成功時と失敗時の原因帰属が自己調整学習方略の使用に及ぼす関係に対して,自己効力感は調整変数としてこの関係に寄与することが確かめられた.

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