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[03心-ポ-25]高校男子ラグビー選手における身体不満と出場機会が心理的パフォーマンスに対するセルフ・エフィカシーに及ぼす影響
*Toma Fukami1, Hideaki Takai2 (1. Graduate School of Nippon Sport Science University, 2. Nippon Sport Science University)
ラグビーでは、身体的特徴が競技パフォーマンスを規定する1つの要因として考えられている(Sedeaud et al., 2012; Quarrie & Hopkins, 2007)。しかし、身体不満が心理的パフォーマンスに対するセルフ・エフィカシー(心理的パフォーマンスSE)に及ぼす影響については未だ検討されていない。本研究では、高校男子ラグビー選手を対象に、身体不満および出場機会との交互作用を含めた心理的パフォーマンスSEへの影響を検討した。身体不満の測定には、Body Image Matrix of Thinness and Muscularity–Male Bodies(Arkenau et al., 2020)の尺度を用いた。本尺度は、8×8の格子に配置された64体の3次元の男性の身体図から構成され、縦軸に筋、横軸に体脂肪を段階的に増加させた2次元の体型評価尺度である。研究対象者には自己像と理想像を選択させ、両者の差を身体不満得点として算出した。なお、回答内容に不備があった19名を除いた高校男子ラグビー選手220名(16.38±0.64歳)を分析対象者とした。心理的パフォーマンスSE尺度(荒井ほか、2007)を従属変数とし、筋・体脂肪不満、出場機会、およびその交互作用を独立変数としてロバスト回帰分析を行った。すべての独立変数は中心化し、交互作用が有意な場合は単純傾斜分析を実施した。その結果、回帰式は有意であり、出場機会の主効果が示された。また、筋不満と出場機会の有意な交互作用も認められた。単純傾斜分析により、非レギュラー群では筋不満得点が高いほど、心理的パフォーマンスSE得点が有意に低下する傾向が示されたが、レギュラー群では有意な関連がみられなかった。よって、競技機会が限られる選手には、筋不満への対策が心理的パフォーマンスSEの維持・向上に貢献できる可能性がある。
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