Presentation Information

[03心-ポ-41]スポーツ競技者におけるライフスキルの構成概念の検討体育会柔道部学生を対象として

*Shota Fujishima1, Junichi Nishida2 (1. Kindai Univ., 2. Kindai University)
PDF DownloadDownload PDF
青少年スポーツ競技者を対象にライフスキル(LS)を測定するため,わが国にて作成された心理尺度(島本他,2013;清水他,2018)が見られる.それらを用いた心理的有効性(山本・島本,2019;藤島,2024)の知見等が示されてきたが,回答者の校種が限定されるため青少年期のスポーツ実践による一貫したLSの習得を測るには限界がある.また,上述の尺度の構成概念のみでLSを包含して捉えられるかは不明である.そこで,Life Skills Scale for Sports(LSSS;Cronin & Allen,2017)に着目した.LSSSは上述のLS尺度とは異なる側面(「チームワーク」,「時間管理」等)を有し,信頼性・妥当性の備わった有効な心理尺度と認められる.以上より本研究では,LSSSの構成概念の重要度とその特徴を明らかにすることを目的とした.対象者は,関西地区の体育会柔道部学生174名(男性n=125)であった.調査内容は基本的属性に加えLSSSの構成概念の重要度についてVAS(0~10.0点)により尋ねた.また,「大学生アスリート用LS評価尺度(島本他,2013)」のうち6因子24項目を尋ねた. LSSSの構成概念の重要度は,「チームワーク」ではM=9.01,また「時間管理」ではM=8.62を示した.また,「大学生アスリート用LS評価尺度」との関連の分析の結果,「チームワーク」ではr=.21~.32,また,「時間管理」ではr=.17~.36を示し有意な正の相関が認められた.以上より,従来のLS尺度とは弱い関連であるためLSSSの構成概念は固有である可能性が考えられる.これらから,青少年スポーツ競技者を対象としたLSSSの日本語版作成は重要な課題と思われ,2024年に原著者よりLSSSの日本語版作成の許諾を得た.今後は日本語版LSSSの作成を通じて更にLSの構成概念を検討する必要がある.

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in