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[03心-ポ-79]視覚運動刺激が自己運動知覚に与える影響傾斜が速度知覚に与える影響に関して

*Shiro Mori1 (1. National Institute of Fitness and Sports in Kanoya)
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知覚と行為の対応関係が水平方向への速度知覚に与える影響を自転車競技、陸上競技、ボート競技、体操競技の4つの競技選手を対象に検討した結果、、アスリートが能動的に行う行為が環境から提供されるオプティカルフローによる視覚情報への依存の仕方が異なることが報告されている(鳥羽、2018)。本研究では、種目別で独自に感じる重力の影響に着目し、競技種目別で視覚情報からどのような自己運動情報を得ているのか明らかにするため、エルゴメーターに角度をつけ、3つの方向(水平、上昇、下降)で3つの競技種目(自転車競技、ボート競技、体操競技)に対して、ベクションの生起強度を測定した。方法としては、エルゴメーターの角度を水平方向、上昇方向と下降方向の3つの方向に設定し、前進あるいは後退を意味する映像を呈示した際に、 参加者は自身の身体が移動するような感覚が得られたタイミングでボタンを押して、ベクションが生起するまでの時間である潜時とベクションの感じている時間を表す累積持続時間を測定し、各試行終了後にはV A Sによって主観的強度を測定した。その結果、競技種目によって、3つの方向と進行方向でベクションの生起強度及び、VASに違いが認められた。このことは、種目別で独自に感じる重力の影響が異なっていることを示めしており、鳥羽(2018)が指摘する速度知覚に日常的に経験する行為とそれに伴う視覚情報の対応関係が視覚依存で速度を評価する過程である補償プロセス(Wallach et al。 1974)の働きに影響を与えることを示唆していると考えられる。

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