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[05バ-ポ-17]体操熟練者の運動学的特徴下肢屈伸を伴う上肢内外回旋動作に着目して

*Taishiro Sakaguchi1, Ryota Kishi2, Makoto Suto2, Miyake Ryosuke2, Nishiyama Tetsunari2 (1. Graduate school of Nippon Sport Science University, 2. Nippon Sport Science University)
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【背景】単純に見える体操動作の中でも、熟練者の動作と非熟練者の動作は一見してわかる「違い」がある。上肢を回す運動や、下肢屈伸運動などの反復全身運動では、四肢の曲げ伸ばしの程度やそれらの協応性、タイミングの違いがその差となっていると考えられる。ラジオ体操などに代表される道具を用いないこの種の体操は学校や地域で広く用いられているが、体操熟練者の動作の特徴を運動学的に分析した基礎的研究は非常に少ない。この「違い」を運動学的に捉えることは、実際の指導における要点を明確にすると考えられる。【目的】下肢屈伸を伴う上肢内外回旋動作に着目し、熟練者の運動学的特徴を明らかにすることで、指導の要点を得ること。【方法】被験者は熟練者(体操部所属の男子大学生)9名と非熟練者(体操未経験者)8名とし、メトロノーム(60bpm)に合わせた下肢屈伸を伴う上肢内外回旋を行った。三次元動作解析システム(VICON MX40、Vicon社)を用いて200Hzで撮影し、上肢回旋角度、回旋角速度、上胴前傾角度、大腿、下腿、足部セグメント角度を算出した。【結果および考察】熟練者は非熟練者と比較して、上肢の振り降ろしおよび振り挙げ中盤にかけて、上肢回旋角速度が大きかった。また、熟練者の特徴として以下の3点がみとめられた。①しゃがみこみの直前に踵を浮かせ、伸び上がるような動作から、そのまましゃがむこと。②しゃがみこみの開始から遅れて上肢を振り降ろす、いわゆる「ため」があること。③しゃがみこみ中は体幹の前傾が小さく抑えられ、直立位に近い姿勢であること。これらの結果を用いた体操指導は一連の全身運動としての熟練につながると考えられた。

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