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[08測-ポ-07]幼児の体力・運動能力の現状と年次推移把握のための資料提供システムの完成度
*Tomohiko Murase1 (1. Aichi University)
幼児期は体力や運動能力を測定する機会が少なく、また平均値などを示した評価資料の公表や更新の機会も限られている。そのため、幼児の体力・運動能力の現状や年次推移の把握は容易ではない。このような状況から、測定と評価の普及促進を目的として、研究機関と保育現場との連携による支援システムの構築の検討が続けられてきた。このシステムはコロナ禍においても機能し、さらに研究機関と保育現場との地理的距離に関係なく支援が可能であることも確認されている。本研究の目的は、幼児の体力・運動能力の現状と年次推移把握のための資料提供システムである測定と評価支援システムの完成度を明らかにすることであった。調査対象は、測定と評価支援に参加した愛知県、岐阜県、沖縄県の合計17保育現場における保育者81名であった。支援全体および構成する各支援別の完成度などを質問紙により調査した。主な結果として、支援全体の完成度は91.0%(完成を100%とした場合)であった。完成度が高い理由には、園独自で測定用具・器具を揃えるのは難しく、また評価結果についても支援してもらえることなどの記述が確認された。一方、完成度が低い理由には、測定を実施するのが時間的に難しいなどの記述が確認された。測定と評価支援を構成する各支援別の完成度は、測定講習会開催93.2%、測定用具・器具貸し出し95.4%、測定補助95.2%、個人評価資料作成97.0%、園別評価資料作成96.5%、基準値などの全体評価資料作成96.9%であった。その他、支援全体の必要性に関しては86.5%(必要を100%とした場合)であった。本調査結果から、支援の在り方に改善を重ねながら構築された現在の測定と評価支援システムの完成度は高い水準に到達していることが確認された。今後は、全国各地における保育現場での本支援システムを利用した測定と評価の実施の普及促進が期待される。
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