Presentation Information

[08測-ポ-14]野球内野手におけるショートバウンド捕球の動作特性

*Takanobu Mori1, Minori Ota2 (1. Graduate School of Health and Sports Science, Juntendo Univ., 2. Faculty of Health and Sports Science,Juntendo Univ.)
PDF DownloadDownload PDF
野球における内野守備は、試合の勝敗を左右する重要な技術であり、熟練内野手はイレギュラーバウンドを避けるため、規則的なバウンドとの差が小さいショートバウンドでの捕球を目指す傾向がある。ショートバウンド捕球は「バウンドを合わせる」感覚が求められるため、打球の質を素早く見極め、適切な位置へ移動する判断力と予測力が必要である。また、捕球時に怖さを感じる選手も多いバウンドであるため、技術的にも心理的にも難易度が高い技術である。しかし、ショートバウンド捕球の技能を習得するための具体的な知見や方法論は十分に蓄積されていないのが現状である。
 そこで本研究では、熟練者と未熟練者のショートバウンド捕球における動作を比較することによって、予測や判断、動作のタイミングを明らかにすることを目的とした。
 対象者は、野球競技経験を有する男性内野手(以下、熟練者)と、野球またはソフトボールの競技経験のない男性(以下、未熟練者)とした。対象者から10m離れた位置でボールを投げ出し、2バウンドと3バウンドでのショートバウンド捕球を行った。試技数は、捕球成功試技が各バウンドで5試技となるまで行った。捕球の成否に加え、ハイスピードカメラ(240fps、Sony社製)によって試技中の対象者を撮影し、捕球に至るまでの一連の動作を評価した。また、対象者には視線計測器(以下、EMR-10、nac社製)を装着させ、試技中の視線行動についても評価した。
 分析の結果、熟練者では、2バウンドおよび3バウンドのいずれの試技においても、捕球時のグラブの高さ(cm)と捕球位置と最終バウンド地点までの距離(cm)との間に強い正の相関が認められた。これらの結果より、熟練者はボールの最終バウンド位置との距離に応じて、グラブの高さを適切に調整しながら正確な捕球につなげていることが示唆された。

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in