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[08測-ポ-25]トランポリン競技の国際審判員における出来栄えの採点傾向審判階級間の比較

*Yui Kawano1, Kisho Zippo 2, Yasuyuki Kubo3, Toshiharu Yokozawa3 (1. Daito Bunka University, 2. Kyushu Kyoritsu University, 3. Japan Institute of Sports Sciences)
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採点競技において、審判員が演技の出来栄えをどのように評価しているかを明らかにすることは、選手のパフォーマンスや審判技術の向上の重要な手掛かりとなる。本研究では、トランポリン競技の国際審判員の語りに基づき作成した17項目からなる出来栄えの採点に関する着眼点のリスト(減点理由リスト)を用いて、国際審判階級による採点傾向を把握することを目的とした。
国立スポーツ科学センター内のトランポリン練習場にて、日本選手権大会の出場経験のあるトランポリン選手11名(男性6名、女性5名)の演技を、トランポリンベッド側方からビデオカメラ(iPad Pro、1台、30fps)で撮影した。この映像を、国際審判有資格者14名(国際審判経験年数:1~25年)に無作為に提示し、演技の出来栄えを採点してもらった。採点後、減点理由リストから減点した理由に該当する項目と、その項目で減点した点数も回答してもらった。審判員の階級を2つ(1~3種:6名、4種:8名)に分け、減点理由リストの項目ごとに減点された点数を集計し、全ての減点の合計で除して、全体に占める各項目の減点率を算出した。減点率には母比率の差の検定を施し、階級間の採点の差異を比較した。
その結果、両階級に共通して「タックやパイク姿勢がコンパクトでない」と「90°まで姿勢が維持できていない」の2項目の減点率が総減点の60%以上を占めていた。母比率の差の検定の結果、階級間で差がみられたのは「腕が体側よりも前方・後方にある」、「肘が伸びていない」、「各姿勢になるタイミングが遅い」、「開きのタイミングが遅い」、「90°までに捻り終わっていない」、「90°まで姿勢が維持できていない」の6項目であった。
これらの結果から、トランポリン競技の国際審判員は、階級に関わらず出来栄え採点における主要な着眼点を共有しているものの、特定の項目では判断に差異が見られることが示唆された。

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