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[08測-ポ-34]地域在住高齢者における肩関節の水平屈曲および水平伸展筋力とフレイル進行度との関連

*Toshiaki Nakatani1, Masakazu Nadamoto2, Ryudai Kaneko3 (1. Tenri University, 2. Momoyama Gakuin University, 3. Kyoto University of Advanced Science)
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本研究では,地域在住高齢者における肩関節の水平屈曲筋力(以下,肩押力)および水平伸展筋力(以下,肩引力)とFRL進行度との関連を検討した.対象者は,奈良県T市に在住する65~93歳の高齢男女185名(78.7±5.7歳)とした.肩押力および肩引力は,肩関節外転位において肩押引力アタッチメントを胸の前で保持し,立位姿勢にて水平面で前方および後方に力発揮させる等尺性筋力で測定した.FRLの判定は,基本チェックリストの回答を得点化し,25点中8点以上をFRL群,4~7点をプレフレイル(P-FRL)群,3点以下をロバスト(RBT)群と分類した.各群間の比較には一元配置分散分析を用い,有意な主効果が認められた場合にはTukey法よる多重比較を行った.肩押力および肩引力によるFRL判別のカットオフ値はReceiver Operating Characteristic(ROC)分析により算出し,最適値を決定した.有意水準は5%とした.肩押力はFRL群13.6±5.7 kgf,P-FRL群15.8±6.8 kgf,RBT群18.9±6.9 kgfであり,肩引力はそれぞれ11.2±4.7 kgf,12.0±4.0 kgf,14.3±4.6 kgfであった,いずれの筋力もRBT群と比較してFRL群およびP-FRL群において有意に低値を示した(p<0.05).ROC分析の結果,FRL判別における肩押力と肩引力の曲線下面積は0.674および0.657で,Youden indexに基づくカットオフ値は,肩押力が12.2 kgf(感度79.6%・特異度50.0%),肩引力が11.2 kgf(感度69.3%・特異度60.0%)であった.以上のことから,地域在住高齢者における肩押力と肩引力は,RBT群と比較してFRL進行度と関連が認められるものの,P-FRL群とFRL群との間では明確な筋力差は認められなかった.

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